京王電鉄は30日、相模原線の加算運賃の引下げについて発表した。相模原線京王多摩川~橋本間では、新線建設にかかるコストに充てるため、乗車キロに応じた加算運賃が設定されていたが、「加算運賃収入等による相模原線建設事業費の回収が進捗してきている」ことを受け、2018年3月に加算運賃の引下げを実施するという。

相模原線京王多摩川~橋本間で設定されていた加算運賃が引き下げられる

相模原線は京王線調布駅から分岐し、橋本駅まで結ぶ22.6kmの路線。調布~京王多摩川間のみ戦前の開業で、他の区間は1960年代以降、多摩ニュータウンを縦貫する路線として建設が進められた。1971(昭和46)年に京王多摩川~京王よみうりランド間、1974年に京王よみうりランド~京王多摩センター間が開業。1988年の京王多摩センター~南大沢間開業、1990年の南大沢~橋本間開業をもって全線開業となった。

こうした経緯もあり、京王多摩川~橋本間で乗車する場合や、同区間と他の区間をまたがって乗車する場合、基本運賃に加え、京王多摩川~橋本間の乗車キロに応じた加算運賃が設定されていた。現行の加算運賃は乗車キロ1~8kmで10円、9~13kmで20円、14~16kmで40円、17~19kmで60円、20~22kmで80円。京王線新宿駅からICカード乗車券を利用した場合、大人普通運賃は京王多摩センター駅まで339円(基本運賃319円・加算運賃20円)、橋本駅まで440円(基本運賃360円・加算運賃80円)となっていた。

京王線新宿駅から相模原線主要駅への大人普通運賃も10~20円値下げ

相模原線では加算運賃が廃止となる区間も

通勤定期(大人1カ月)における加算運賃。現行運賃と改定運賃の比較

通学定期(大人1カ月)における加算運賃。現行運賃と改定運賃の比較

2018年3月に実施予定の加算運賃の改定により、大人普通運賃が20円引き下げられ、乗車キロ1~8km・9~13kmで設定されていた加算運賃は廃止に。1970年代に開業した京王多摩川~京王多摩センター間については、京王多摩川駅以東の京王線・井の頭線各駅から乗車した場合も含め、加算運賃が不要となる。京王線新宿駅からICカード乗車券を利用した場合、大人普通運賃は京王多摩センター駅まで319円(基本運賃と同額)、橋本駅まで420円(基本運賃360円・加算運賃60円)。あわせて通勤定期運賃・通学定期運賃も改定され、大人1カ月の通勤定期運賃は最大750円、通学定期運賃は最大370円、それぞれ引下げとなる。

なお、加算運賃以外の基本運賃の変更はないとのこと。加算運賃引下げの詳細な日程については「決まり次第公表します」(京王電鉄)としている。

京王線・相模原線主要区間の現行運賃と改定後の運賃の比較