テレビ東京系で毎週土曜日朝に放送されていた『ウルトラマンゼロ THE CHRONICLE』の後番組として、円谷プロ製作の最新ウルトラマンシリーズ『ウルトラマンジード』が同時間帯で7月8日よりいよいよスタートする。本作の主人公・朝倉リクは、2009年に映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(2009年)で初めて姿を現した"邪悪なウルトラマン"ウルトラマンベリアルの遺伝子を受け継ぐ者でありながら、胸に正義の心を抱いてウルトラマンジードに「フュージョンライズ」する。ジードは2体の怪獣の特性を併せ持つ「ベリアル融合獣」から地球の人々を守るため、力の限り戦うのだ。

坂本浩一監督

ウルトラマンジードは、2016年に放送されて好評を博した『ウルトラマンオーブ』と同じく、2人のウルトラマンの力を変身アイテム・ジードライザーで融合(フュージョンライズ)することにより、さまざまな戦闘形態をとることができる。基本形態の「ウルトラマンジード プリミティブ」はウルトラマンとウルトラマンベリアル、「ウルトラマンジード ソリッドバーニング」はウルトラセブンとウルトラマンレオ、「ウルトラマンジード アクロスマッシャー」はウルトラマンコスモスとウルトラマンヒカリ、それぞれの力を秘めた「ウルトラカプセル」を「ジードライザー」でスキャンすることによって、フュージョンライズを行う。

メイン監督は、『ウルトラ銀河伝説』でウルトラマンゼロとウルトラマンベリアルを初めて世に送り出した坂本浩一氏が務める。坂本氏は『ウルトラマンゼロ THE CHRONICLE』内のミニシリーズ『ウルトラファイトオーブ 親子の力、おかりします!』(全8話)に引き続いての「ウルトラマン」シリーズであり、連続テレビシリーズとしては『ウルトラマンX』(2015年)以来の参加となる。

そして本作のシリーズ構成には、話題作を次々と送り出しているミステリー作家・乙一氏を迎え、従来とは一風変わったSFストーリーが展開される模様。開始直前で期待の高まる『ウルトラマンジード』の特色や、本編の見どころなどを坂本監督に直撃した。

――『ウルトラマンジード』のメイン監督を、というオファーが来たのはいつごろだったのでしょうか。

昨年の9月くらいですね。オファーがありまして、打ち合わせに出たら「今度はベリアルの息子が主役で、ゼロも出てくるシリーズ」だと聞かされました。僕はベリアルとゼロのデビュー作『ウルトラ銀河伝説』を監督していたので、それでこのお話が来たんだなと納得しました。

――シリーズ構成の乙一さんは、これまで特撮作品を手がけたことのない方ですが、ご一緒に物語を作られてどのようなご感想を持たれましたか。

乙一さんにシリーズ構成をお願いしようと提案したのは鶴田(幸伸)プロデューサーだったんです。僕も乙一さんの作品は読んでいましたので、面白い試みだと思いました。最初に乙一さんからうかがったコンセプトはとてもユニークで、今まで特撮ヒーロー作品に関わっていらっしゃらなかったからこそ生まれてくる、独特な発想があちこちに散りばめられていました。さらに乙一さんが得意とするミステリー要素も含め、とても面白く練り込まれたストーリーで、僕や鶴田くんを交えて打ち合わせを行い、どんどん煮詰めていく形になりました。