ハイブリッドは販売に寄与、プロパイロットの効果は?

ここで近年のエクストレイルの販売台数を振り返っておきたい。まず、12月にフルモデルチェンジがあった2013年度は、約4万3000台で前期比61.8%の増加だった。その後は2014年度で4万8000台、2015年度で6万3000台、2016年度で5万3000台という具合に推移している。2015年度に急増しているのは、この年にハイブリッドタイプの投入があったからだと考えられる。

ハイブリッドタイプが登場した2015年度は販売台数が急増した

「ハイブリッド」と「プロパイロット」では、かなり知名度に差がありそうだし、燃費に関わる技術が身近に感じるのに比べ、自動運転に関する技術についてはユーザーごとに感じ方が大きく異なりそう。なので、プロパイロットの搭載が、ハイブリッドタイプ登場時と同じくらいエクストレイルの販売を押し上げるかどうかは疑問だ。しかし、先進技術に関心のあるユーザーに対して、プロパイロットが効果的な訴求ポイントになることは間違いないだろう。

今回のマイナーチェンジで日産は、リアバンパー下部に取り付けたセンサーにより、クルマの下に足を入れて引くだけでバックドアを開閉できるハンズフリー機能「リモコンオートバックドア」を新たに搭載したり、内外装に新デザインを採用するなど、エクストレイルの商品性を向上させている。こういった改善点も販売面ではプラス材料になるはずだ。新型エクストレイルの販売目標は月間5000台。日産ではこれまでに3300台の予約注文を確保しており、そのうち8割程度がプロパイロット搭載モデルだという。

「プレミアムコロナオレンジ」は今回のマイナーチェンジで新たに用意された色。SUVに鮮やかなカラーリングは不可欠だと個人的には感じる

もしも、プロパイロットの導入でエクストレイルの販売台数に目覚しい伸びが見られたとすれば、それは市場が同技術を求めている証左になる。この技術を他の車種にも展開していく方針の日産にとっては朗報となるはずだ。