新曲披露を前に、りえしょん、パッション全開!

キラーチューンを歌い上げた村川は、ステージを降りる。それから「りーえーしょん!」とのアンコールの声が上がるには、時間はかからなかった。前方のファンがライブグッズの扇(武器)で合図したこともあってか、その声は大規模なホールでもピタリとそろうコールの声。なるほど。アレ(扇)はああも使えるのか……などと感心していたところでバンドメンバーが、続いて村川がステージに戻り、自身のラジオのテーマ曲でもあり、村川自身が作詞を担当した「RiEtion please」を歌い始める。実は生披露はこのライブが初となるこの曲での歌声は、ボサノバチックなサウンドに似合う少し柔らかめのもので、みんなをほわっと温かい笑顔にさせてくれるようなアプローチ。その発信源の村川自身も、もちろん笑顔。歌詞にも記した自身の持つ「みんなを笑顔にしたい」という想いを、最大限に直接届けられたいい時間だったように思う。それは、歌い終わった村川自身の「うれしかったー」との言葉からも感じ取れた。

曲明けにはバンドメンバーを紹介し、それぞれのソロプレイを堪能する村川。バイオリンのソロ後に「尊みが深すぎて涙出ちゃうよね」と感激したあとは、それぞれの圧巻のパフォーマンスに、「ブラボー!」以外の語彙を喪失。言外にも、そのボディアクションで感謝と素晴らしさが表現されていた。

そしてここで、5月17日に発売される新曲を「Tiny Tiny」を披露。この曲の指定色を、剣型ペンライトの色を電子ルーレットのような形式で発表しようとする……が、ここでとにかく焦らすのがりえしょん流。そうしてまずは目を引きつけたところで、「アンコール、いただいたからには、盛り上がれるんでしょうねー!?」と曲前に観客をひと煽り。大歓声に「OK、いいでしょう!」とひと言応えたら、楽曲のスタートだ。爽やかさもある明るくまっすぐな正統派ロックチューンだが、そのテイストと村川の、中音域の歌声が持つ魅力がドンピシャ。

相乗効果で互いが高め合う1曲に。もちろん観客の反応も良好で、そのうれしさにテンションが上がったのか、2サビ明け間奏でプレイするベースのすぐそばではしゃぎ、いちばんいい位置でノリまくる村川。村川の"パッション""ハイテンション"という元来の持ち味を生で体感できたという、ライブの醍醐味のひとつのようにも感じられた。そして最後は、曲中ずっと手にしていた剣型ペンライトで眼前をスパッと切り、かっこよくポーズを決めていた。

これからも一緒のみんなと、最後の最後に大合唱!

こうしてスカッと1曲歌い終えた村川。だが楽しい時間は、本当にもうすぐ終わりを迎えてしまう。たまらず「(次がラスト曲なんて)言えねぇよぉ!」と惜しみ出し、「みんなももっとこの時間が続いてくれたらって思ってる?　りえしょんも!　みんながそう思ってくれたってことは、この時間がとっても素敵で大切な時間になったということじゃないかなと、思います。そう思ってもらえたら、本望です」と、今の素直な気持ちを語りだす。そして、少しだけ照れくさそうに、こう言うのだ。「みんなー……ありがとね♪」と。「これからも支えてくれるとうれしいな」と続けた言葉にも、大きな歓声が返る。それにも、少し照れたような仕草を見せながら、「じゃあ、これからもよろしくねー♪」と、改めての挨拶をするのだった。

そして最後に歌うのは、「みんなで一緒に歌えたら!」との言葉に続けて始まった「Baby, My First Kiss」。自身もその扇を手にしつつ、振り付けにも織り込んでいく。楽しそうに客席にマイクを向ける村川に向かっての、Bメロやサビ明けのコールはピタリと揃うし、サビでは彼女の扇の動きに合わせるかのようにピンクのペンライトが揺れる。扇と剣。それはまるで、"武器"を通した心と心のつばぜり合いのようでもあった。Dメロでは場内にハートが降り注いで客席上を舞い、盛り上がりは最高潮へ。オーラスには、「最後一緒にみんなでー!」との村川の先導から、今日最高のコールが誕生!　ラスト曲も、アツく締めくくられた。

バンドメンバーと一緒に挨拶した村川は、最後にステージ上を往復。最後の最後まで「ありがとー!　また会おうねー!　ありがとねー!!」と繰り返し呼びかけながら、手を振り続けたままステージを降りていったのだった。

楽曲に合わせた表情・歌声の七変化に、村川自身に起因する"楽しい!"にあふれた初のワンマンライブ。その想いが観客に伝わったのは間違いないだろう。なぜなら、"仕事"としてお邪魔させていただいた筆者でさえも、楽しくて仕方のない取材だったからだ。いつまでもりえしょんとファンとが、こうしてライブを通じて会えますように……と、願わずにはいられない。

村川梨衣「1st RieLve～梨の季節～」セットリスト

M-01 Anytime, Anywhere
M-02 Dreamy Lights
M-03 Breath
M-04 レクイエム
M-05 MaGiK
M-06 夜明けの恋
M-07 Eternal
M-08 恋するパレード
M-09 クリームソーダとエンドロール
M-10 戻れない旅
M-11 ドキドキの風
M-12 Sweet Sensation
【ENCORE】
M-13 RiEtion please
M-14 Tiny Tiny
M-15 Baby, My First Kiss