京都市中京区のとあるカフェで「鉱物料理」を食すことができるとの噂が、SNSを中心に拡散中だ。多彩な輝きを放つ鉱物が食卓に並ぶなんて一体どういうこと……!? 話題騒然のカフェ「ウサギノネドコ」に話を聞いてみた。

話題沸騰の「鉱物料理」(税別1,980円)

「おいしい石展」も開催中

インタビューに答えてくれたのは、カフェのみならず、宿、ショップとしても機能している「ウサギノネドコ」で代表を務める吉村紘一さん。何とも味のある店名に加えて業務形態もユニークであるが、企画・運営・販売の目的は一貫して「自然の造形美を伝えること」と芯が通っているのだ。

カフェでは、鉱物の展示を楽しみながら食事できる

さて、本題の鉱物料理であるが、この料理はぜひ、1月27日に開催スタートした「おいしい石展」観賞とセットで楽しんでほしい。同展は、世界各国から集まったバラエティ豊かな鉱物標本の中から、食べ物の名を冠した石や見た目においしそうな石をピックアップして展示販売を行う企画展。お皿に盛りつけたり和菓子に見立てたりして展示された石を前に、来場者は大いに食欲を刺激されるのだ。

「おいしい石展」は3月29日まで開催

ならば、実際に食べられる鉱物を楽しめばいいじゃない! ということでオススメの全8品で構成される「鉱物料理」は、見た目に実際の鉱物標本に限りなく近いだけでなく、味のおいしさや料理としてのバランスも申し分なしの一級品。加えて、料理を並べている木製の台座も、このメニューのためにオリジナルで製作したものなんだとか。

木製の台座もオリジナル作品

カボチャサラダにドライカレーと栄養バランスも◎

気になる料理の内容はというと、「カバンシ石(Cavansite)」=酸味の効いた青い大根マリネを添えた鶏つくね、「豚肉石(Pork stone)」=自家製ミートソースとベシャメルソースを交互に重ねたラザニア、「方ソーダ石(Sodalite)」=レーズン、クルミの食感が楽しいクリームチーズとカボチャのサラダ、「テクタイト(Tektite)」=林檎、蜂蜜の甘さと数種類のスパイスが効いた真っ黒なドライカレー……といったラインナップ。

「方ソーダ石は長波紫外線を当てた時のオレンジ色をイメージしています」(吉村さん)と、鉱物の特徴を学ぶことができる点もなかなか興味深く、予約や問い合わせが後を絶たないというが、手の込んだメニューゆえ1日15食限定で提供日は月にわずか2~3日。3月の予約は全て埋まっている状態という。

定番メニューの中にも名物が!

「そんなイケずな! なんとかして食べさせてもらえないの? 」とお嘆きの方もご安心を。カフェにはいくつかの定番メニューもある。

例えば、ランチセットの「ウサギノネドコの隕石カレー」(税別1,000円/単品だと税別900円)。「隕石が衝突したときにできる『テクタイト』をイメージしました」というそのカレーは、ルーだけでなく、ご飯もお皿も真っ黒! 強烈な見た目だが、スパイシーな中にも甘みとコクがたっぷりでやみつきになる一品だ。

また、「ダーウィン夫人の焼き林檎プディング」(税別690円)は、博物学者として有名なダーウィンの夫人が残した150年前のレシピを再現して、ウサギノネドコ風にアレンジしたという逸話も楽しい。

「ウサギノネドコの隕石カレー」(税別1,000円/単品だと税別900円)

「ダーウィン夫人の焼き林檎プディング」(税別690円)

ショップには鉱物や世界中から集めた標本も

その他にも、見た目にも美しい料理がバラエティ豊かにそろい、「全てのメニューは、"見て楽しい、食べておいしい"を意識して開発しています」と吉村さんも自信をのぞかせる。

さらに、「小さなお子さまがいらっしゃる方にご利用いただけるようお座敷席もご用意していますし、トイレにはおむつ台も設置しているので、ぜひお気軽にお越しください」とのうれしいコメントも。今から春の旅行先を検討中の人は、美しい鉱物とおいしい鉱物の両方を堪能できる京都も視野に入れてみては?

「ガーデンクオーツ・ティラミス」(価格未定)ももうすぐお披露目

ちなみに、水晶に見立てた新作スイーツ「ガーデンクオーツ・ティラミス」も近々お披露目とのこと。イチゴ味のマスカルポーネクリームとコーヒーが染み込んだクラッシュクッキーのティラミスをアマレットのゼリーで包み、ガーデンクォーツに見立てたスイーツで、いつお披露目されるかは後日、公式サイトで発表される。

カフェには、お座敷席もテーブル席も用意

ショップのみの利用もOK

プレゼント選びにも重宝しそう!

●information
ウサギノネドコ
住所: 京都府京都市中京区南原町37
アクセス: 地下鉄東西線「西大路御池駅」より徒歩2分
営業時間: ミセ11:00~18:30/カフェ11:30~20:00(ラストオーダー19:00)
定休日: 木曜日(ミセ・カフェ)