カリフォルニア くるみ協会はこのほど、くるみを日常的に食べると若い男性の心理状態を改善させる可能性があるという研究結果を発表した。

ひとつかみのくるみ(28g)には、2.6gのオメガ3脂肪酸が含まれている

これまでの研究では、くるみには「コレステロール値や中性脂肪値を下げる」「生活習慣病のリスクを下げる」「認知機能の改善」などの可能性があることがわかっている。

くるみにはメラトニンやポリフェノール、ビタミンE、葉酸など、うつ病のリスクを減らしたり、心理状態の改善にかかわる栄養素のほか、他のナッツにはないオメガ3脂肪酸が豊富に含まれたりしている。

オメガ3脂肪酸は直接脳の機能にかかわる成分で、EPAやDHAの前駆体であるとのこと。DHAは、気分や睡眠に影響を与えるとされるセロトニンとドーパミンの調整に関わる重要な脂肪酸でもある。ひとつかみのくるみ(28g)には、2.6gのオメガ3脂肪酸が含まれ、1日の摂取目安量を十分まかなうことができるという。

今回行った研究は、くるみの摂取が健康な若者の心理状態に与える影響を評価する目的で、ニューメキシコ大学のピーター・プリビス教授が主導して行ったもの。

研究では、18歳~25歳までの64名の大学生を無作為に2つのグループに分け、くるみ入り・くるみ抜きのバナナブレッドをそれぞれ8週間、合計16週間摂取してもらった。1つのグループには最初の8週間はくるみ入り、次の8週間はくるみ抜き、もう1つのグループには逆の順で2種類のバナナブレッドを与えた。

くるみ入りのバナナブレッドには、被験者にわからないように粉砕したくるみを60g入れた。バナナブレッドを食べる前、各バナナブレッドを食べた8週間後に心理状態を測定したところ、全体、および女性では心理状態の改善は見られなかったが、男性では心理状態の改善が有意に見られたという。性別の違いによる影響は今後の研究課題であるが、心身ともに健康な若い男性において、くるみの摂取が心理状態の改善に寄与する可能性が示唆された。

同協会では「日々ストレスにさらされている若い世代にとって朗報といえるでしょう。くるみを食生活に取り入れることで、ストレスの多い日常生活を改善できるかもしれません」とコメントしている。