霧島酒造本社増設工場で、本格芋焼酎ができるまでを見せてもらった。その工程を写真でお届けしよう。
芋を蒸す
「黒霧島」「白霧島」をはじめ、霧島酒造でつくられる本格芋焼酎の原料となるサツマイモは南九州の温暖な気候を生かして栽培する「黄金千貫(こがねせんがん)」という品種。
農園で大切に育てられたサツマイモが、工場へと運ばれる。
洗浄されたサツマイモはベルトコンベアで運ばれ、手作業で選別され、蒸しあげられる。
米を蒸して麹をつくる
もう一つの原料、米を洗浄・浸漬・水切りして蒸す。
米に麴菌を混ぜて麴をつくる「製麹(せいきく)」が行われる。
麹と天然水「霧島裂罅水(きりしまれっかすい)」に純粋培養した酵母菌を加えて「一次仕込み」を行う。厳しい温度管理のもと、5日間かけて「酒母(しゅぼ)」といわれる一次もろみができる。
芋と麹をあわせる
酒母を「二次仕込み」のタンクに移し、サツマイモと霧島裂罅水を加える。ここで、でんぷんの糖化とアルコール発酵が同時に起こり、もろみができる。
でき上がったもろみを蒸留器に移し、蒸気を吹き込みながら攪拌すると、アルコールと水が蒸発する。これを冷やして集めた液体が焼酎の原酒となる。
このあと、焼酎は貯蔵・熟成、調合(ブレンド)され、できあがり。瓶やパックに詰められて工場から出荷される。
このような過程を経て、おいしい焼酎ができあがる。
工場では発電事業も
また霧島酒造では、芋焼酎の製造過程で生じる芋くずや焼酎粕の有効利用のため、「サツマイモ発電」による発電事業にも取り組んでいる。ここで発電した電力は、電力会社に一部を売電しているそうだ。
一般向け工場見学
今回紹介したものと見学できるシーンは異なるが、霧島酒造「志比田増設工場」では一般の工場見学も受け付けている(予約制)。
併設の複合施設「霧島ファクトリーガーデン」もあわせて訪れるのがおすすめだ。焼酎の原料であるサツマイモや水についてジオラマや映像で学べる「霧の蔵ミュージアム」や、地ビール醸造施設とレストラン、売店が一体となった「霧の蔵ブルワリー」、「霧島創業記念館 吉助」「霧の蔵ベーカリー」などで楽しめる。