霧島酒造本社増設工場で、本格芋焼酎ができるまでを見せてもらった。その工程を写真でお届けしよう。

霧島酒造本社増設工場

芋を蒸す

「黒霧島」「白霧島」をはじめ、霧島酒造でつくられる本格芋焼酎の原料となるサツマイモは南九州の温暖な気候を生かして栽培する「黄金千貫(こがねせんがん)」という品種。

サツマイモ農園

土の中にはサツマイモがびっしり

農園で大切に育てられたサツマイモが、工場へと運ばれる。

新鮮なサツマイモが毎日運び込まれる

大量のサツマイモ

洗浄されたサツマイモはベルトコンベアで運ばれ、手作業で選別され、蒸しあげられる。

一つひとつ念入りにチェックしていく

そのまま食べてもおいしい

米を蒸して麹をつくる

もう一つの原料、米を洗浄・浸漬・水切りして蒸す。

原料米が受け入れられる

蒸された米が運ばれる

米に麴菌を混ぜて麴をつくる「製麹(せいきく)」が行われる。

麹は「回転円盤製麹機」で42時間かけて大切に育てられる

麹と天然水「霧島裂罅水(きりしまれっかすい)」に純粋培養した酵母菌を加えて「一次仕込み」を行う。厳しい温度管理のもと、5日間かけて「酒母(しゅぼ)」といわれる一次もろみができる。

巨大なタンクがみっしり

5日間の変化の様子

芋と麹をあわせる

酒母を「二次仕込み」のタンクに移し、サツマイモと霧島裂罅水を加える。ここで、でんぷんの糖化とアルコール発酵が同時に起こり、もろみができる。

二次仕込みは8日間かけて行われる

でき上がったもろみを蒸留器に移し、蒸気を吹き込みながら攪拌すると、アルコールと水が蒸発する。これを冷やして集めた液体が焼酎の原酒となる。

蒸留器で焼酎になる

このあと、焼酎は貯蔵・熟成、調合(ブレンド)され、できあがり。瓶やパックに詰められて工場から出荷される。

パック詰めされた商品が流れていく

最新の設備に加え、なんと目視でも品質管理している

このような過程を経て、おいしい焼酎ができあがる。

工場では発電事業も

また霧島酒造では、芋焼酎の製造過程で生じる芋くずや焼酎粕の有効利用のため、「サツマイモ発電」による発電事業にも取り組んでいる。ここで発電した電力は、電力会社に一部を売電しているそうだ。

「サツマイモ発電」設備

一般向け工場見学

今回紹介したものと見学できるシーンは異なるが、霧島酒造「志比田増設工場」では一般の工場見学も受け付けている(予約制)。

併設の複合施設「霧島ファクトリーガーデン」もあわせて訪れるのがおすすめだ。焼酎の原料であるサツマイモや水についてジオラマや映像で学べる「霧の蔵ミュージアム」や、地ビール醸造施設とレストラン、売店が一体となった「霧の蔵ブルワリー」、「霧島創業記念館 吉助」「霧の蔵ベーカリー」などで楽しめる。

芋焼酎の原料であるサツマイモや水についてジオラマや映像で学べる「霧の蔵ミュージアム」

「グラウンドゴルフ場」

地ビール醸造施設とレストラン、売店が一体となった「霧の蔵ブルワリー」

焼酎づくりの発酵技術と焼酎モロミを使ったパンを製造・販売する「霧の蔵ベーカリー」

霧島酒造の歴史を紹介する「霧島創業記念館 吉助」

「霧島焼酎神社」

竹林といった自然がいっぱい

「霧の蔵ブルワリー」売店

霧島酒造のさまざまな焼酎が販売されており、試飲もできる

「霧島ビール」「おいものお酒」も購入することができる

焼酎をつくる過程でも使われている霧島裂罅水を自由に汲むことができる