ピルを飲んでも妊娠する?

ピルの働きと飲み方のポイントを押さえましょう

避妊率が高く、コンドームより確実な避妊方法として知られる「ピル」。しかしそんなピルでも、100%妊娠を防げるわけではありません。今回は、ピルの基礎知識をおさらいした上で、ピルを飲んでいても妊娠するケースについて詳しく説明します。

女性ホルモンの作用で、排卵を抑えて妊娠を防止

ピルは、卵巣から分泌される「卵胞ホルモン(エストロゲン)」、「黄体ホルモン(プロゲステロン)」という2つの女性ホルモンを含んだ飲み薬です。ピルを飲むと、血液中のホルモンの濃度が上がるため、脳は体が排卵、あるいは妊娠したと錯覚して、ホルモンの分泌をストップします。すると卵胞の成長や排卵が止まり、結果的に妊娠を防ぐことができるのです。

ピルを服用するには、ピルの処方を行っている医療機関を受診し、医師に処方せんを出してもらうことが必要です。診察の結果、既往歴や体の状態によっては、ピルを処方できない場合もあります。

21日間飲んで、7日間休むのが基本

ピルとはそもそもどんな薬?

ピルは、ホルモンの用量によって、高用量ピル、中用量ピル、低用量ピルに分けられています。避妊したい場合は、一般的に、避妊効果を維持できる限界までホルモン量を抑えた低用量ピルが使われます。同じ低用量ピルでも、ホルモンの配合量によって一相性ピル、段階型ピルといった種類があり、さらに21錠タイプ、28錠タイプに分かれています。

細かい用法はピルの種類によって異なりますが、女性の生理周期に合わせて、「21日間毎日飲んで、7日間休む」というのが、ピルの基本の飲み方。7日間の休みの間には、ピルによって増殖したホルモンが減少し、厚くなった子宮内膜が剝がれるときに消退出血が起こります(ホルモンが減少して内膜が剝がれて出血することを消退出血といいますが、自然に起こる月経と区別するために、ピルによって人工的に起こるものを消退出血ということもあります)。28錠タイプは、飲み忘れ防止のために、休薬期間も毎日偽薬を飲む仕組みになっています。