日銀のマイナス金利導入により、ただでさえ低金利の普通預金金利が0.001%にまで下がりました。仮に100万円を1年預けていても、もらえる利息はわずか8円(税引き後)。

そんな状況の中、何げなくATMでお金をおろしたら、108円の手数料がかかっていた、ということだけは避けたいものです。今や、ほとんどの金融機関では、手数料の優遇サービスを実施しています。自分のメインバンクのサービス内容を確認しておきましょう。

メインバンクのATMサービス内容を確認しよう(画像はイメージ)

メガバンクでは預金残高に応じて優遇内容が変わる

自行のATM以外でもコンビニATMなどとの提携が広がり、実質的には、大抵のATMからお金を引き出せるようになっています。ただ、その際に、提携ATMによっては常に手数料がかかることもあれば、営業時間内であれば無料というところもあり、使うATM、時間帯に注意する必要があります。うっかり使えるからと言って安易にお金を引き出すと、1回108円の手数料がかかっていまい、実にもったいない話です。

都市銀行などでは、所定の取り引き条件を満たせば、ATM手数料がタダになる優遇サービスを設けています。個々に取り引き条件は異なりますが、ほとんどの場合、何らかの申し込み、契約が必要なので、自分の取引銀行の優遇サービスを今一度、チェックしておきましょう。以下に、主な銀行の優遇サービスを紹介します。

●みずほ銀行『みずほマイレージクラブ』
みずほ銀行のほか、みずほ信託銀行とみずほ証券も対象となり、預金残高などが10万円以上であれば、同行とイオン銀行のATM手数料が何回でも無料で、イーネット、ローソン、セブン銀行のATM手数料は月4回まで無料になります。更に預金残高などが50万円以上であれば、他行あての振込手数料が月1回まで無料に。

●三井住友銀行『SMBCポイントパック』
残高別金利型普通預金とインターネットバンキングの契約者は、預金残高に関わらず、毎月25日、26日は同行ATMの時間外手数料が無料になります。さらに、預金残高合計が30万円以上、給与受取など、6つの取り引き条件のいずれかを満たせば、コンビニATM(イーネット、ローソン、セブン銀行)とゆうちょ銀行ATMの利用料が月4回まで無料になります。

●三菱東京UFJ銀行 『スーパー普通預金(メインバンク プラス)』
三菱東京UFJダイレクトの契約及び、初回登録(パスワード、Eメールアドレスの登録)が必要で、預金残高が10万円以上であれば、同行のATM手数料が何回でも無料になります。さらに、預金残高が30万円以上であれば、提携先コンビニATM手数料が月3回まで無料に。取り引き条件は、預金残高が不足していても、クレジットカードの決済や投信つみたてなどで該当すれば、優遇を受けられます。

都市銀行でも優遇条件や内容は横並びではなく、細かな取り引き条件や判断基準がありますので、よく確認しましょう。

ネット銀行なら常時無料のところもある

生活口座として使うには、給与振込口座のある金融機関のATM利用が便利ですが、頻繁に時間外にATMを利用する、という人は、ネット銀行に口座を作っておくことをおすすめします。

なかでも新生銀行は、常時、ATM手数料が無料でお金の入出金が可能。他行への振り込みもパワーダイレクト(ネットバンキング)の利用で、月1回は無料です。月間残高によっては、月5回、10回まで振込手数料が無料となります。

このほか、ソニー銀行も預金残高に関わらず、セブン銀行、イオン銀行のATMは常時無料で利用でき、イーネット、ローソン、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、ゆうちょ銀行のATMは月4回まで無料です。

今や日本全国、相互利用できるATMの設置が拡大していますが、どの金融機関と提携しているのか、手数料はかかる時間帯なのかなど、注意する必要があります。旅先などではコンビニでお金をおろすこともあると思いますが、お出かけの前に、優遇サービスをもう一度チェックしてみてください。


伊藤加奈子
マネーエディター&ライター。法政大学卒。1987年リクルート(現リクルートホールディングス)入社。不動産・住宅系雑誌の編集を経て、マネー誌『あるじゃん』副編集長、『あるじゃんMOOK』編集長を歴任。2003年独立後、ライフスタイル誌の創刊、マネー誌の編集アドバイザーとして活動。2013年沖縄移住を機にWEBメディアを中心にマネー記事の執筆活動をメインに行う。2級FP技能士。