サッポロビールのビールブランド「ヱビスビール」が、2月25日に誕生125周年を迎えた。ヱビスビールをテーマにした施設「ヱビスビール記念館」(東京都渋谷区)では、開館当初から行っていた「ヱビスツアー」も同日より「新ヱビスツアー」として再出発。500円(税・飲食代込)でヱビスビールの味も歴史も堪能できる同ツアーの魅力を紹介しよう。

「新ヱビスツアー」がスゴい!

ギャラリーでヱビスの"物語"をたどる

同館は、ヱビスビールの誕生から現在に至るまでを資料や映像で紹介する「ヱビスギャラリー」を備えている。「新ヱビスツアー」は、ヱビスビールのエキスパート「ブランドコミュニケーター」によるガイドを受けながら同ギャラリーを巡り、ビールの試飲もできる館内ツアーだ。なお、ツアーの基本的な流れはこれまでの「ヱビスツアー」と同様となっている。

館内には実際に工場で使われていた「仕込み窯」も

「新ヱビスツアー」の所要時間は約40分。同ツアーに参加するには、同館のツアーカウンターでの申し込みか、希望日1カ月前の11:00から受け付ける電話での申し込み(当日を除く)が必要となる。

ツアーは「ヱビスギャラリー」の案内から始まる。同ギャラリーで最初に目にするのが、ヱビスビールの誕生を描いた映像だ。創業当初の「ヱビスビール醸造場」を写した大きな白黒写真に色が付き、ヱビスビールの歴史が語られていく様子はまるで絵本のよう。ブランドコミュニケーターによる同時並行の解説も、まるで物語の読み聞かせのような心地よさだ。写真パネルの前には創業当初の「ヱビスビール」の瓶が展示されているので、こちらも要チェック。

創業当初の「ヱビスビール醸造場」を写した白黒写真のパネル

まるで絵本のように歴史が語られる

当時の瓶も展示

その後もブランドコミュニケーターによる解説を交えながら、ヱビスビールの歴史をたどっていく。「日本初のビヤホールの最初のおつまみは"大根のスライス"」「ビール瓶のフタは王冠ではなくコルクだった」「王冠のギザギザの数は21個」……なんてご存じだろうか。ブランドコミュニケーターは、ただ展示を見るだけでは気づかないようなことも楽しく教えてくれる。先ほど挙げた例以外にも、ちょっと誰かに話したくなってしまうような豆知識が満載だ。

思わず誰かに話したくなる豆知識がいっぱい

ブランドコミュニケーターが楽しく、わかりやすく教えてくれる

ギャラリーの最後まで進むと、黄金色に輝くコーナーが出現! こちらは「新ヱビスツアー」の開始にあわせて新設されたもので、2003年から現在までのヱビスビールの展開を紹介している。

黄金色に輝くコーナーが現れる

そんな展示パネルの前には1個のオルゴールが。これを回すと聞こえてくるのは、テレビCMなどでおなじみのあの音楽だ。戦中・戦後も経たヱビスビールの歴史をたどった後に聞けば感動もひとしお。お越しの際はぜひ自身の手で回してみてほしい。

オルゴールを回せばおなじみのメロディーが

試飲は"一番おいしい"ビールを!

ヱビスビールの歴史を体感したあとは、お待ちかねの試飲タイム。ツアー参加者だけが入ることのできる「コミュニケーションステージ」で、ヱビスビールを知り尽くしたブランドコミュニケーターによる入れたてのビールを堪能できる。

ブランドコミュニケーターが至高の1杯を提供

試飲できるビールは「ヱビスビール」「琥珀ヱビス」の2種類。曇りひとつないグラスに黄金色のサーバーからビールが注がれていく様子は、見ているだけでもワクワクしてくる。グラスやサーバー、注ぎ方などの条件が全て整った一番おいしい状態でいただくビールは、格別の味わいだ。

「ヱビスビール」「琥珀ヱビス」の2種類を試飲できる

家庭でもできる「三度注ぎ」をマスター

さらにここでは、ブランドコミュニケーターによる「三度注ぎ」のレクチャーも受けられる。「三度注ぎ」は、ビールを3回に分けて注ぐことでホップの香りが引き立ち、クリーミーな泡が立つという注ぎ方。サッポロビールがヱビスビールをおいしく飲むために提唱しているそうだ。

ブランドコミュニケーターが「三度注ぎ」を実演

まず下準備として、清潔なグラスと適温に冷やしたヱビスビールを用意する。不純物がつかないようにグラスは油汚れなどを拭いたことのないスポンジで洗い、ふきんで拭かずに網の上などに逆さにして自然乾燥させるのがポイントだ。ヱビスビールの適温は4℃~8℃で、家庭用の冷蔵庫なら缶ビールを5~6時間冷やすのが目安とのこと。

ビールとグラスの準備ができたら、まず高いところからグラスの底に当てるように勢いよくビールを注ぐ。グラスの半分まで注いだら、上部の粗い泡が治まるまで少し待つ。これが一度目の注ぎだ。

一度目は勢いよく

二度目は静かに、グラスの9分目まで注ぐ。三度目でもっと慎重に、グラスの中の泡を徐々に持ち上げるような気持ちで注げば、グラスをはみ出してもあふれないほどのクリーミーな泡が! さらに、ビールと泡の間には「フロスティミスト」と呼ばれる半透明の層ができる。この層は飲むたびに泡を再生し、泡持ちを良くしてくれるそう。「三度注ぎ」は家庭でも再現できるので、ぜひ試していただきたい。

二度目はゆっくり

三度目は泡を持ち上げるように

泡がこぼれない!

ビールと泡の間には「フロスティミスト」が

入れたてのビールを味わい、ヱビスビールの歴史からおいしいビールの注ぎ方まで知ることができる「新ヱビスツアー」。一度参加すればヱビス通になれること間違いなしだ。

なお、同ツアーの料金は、中学生以上20歳未満の参加者は300円、小学生以下の場合は無料。未成年者にはソフトドリンクを提供するが、未成年者のみのツアーとなった場合、ヱビスギャラリーまでの案内となるとのこと。ヱビスビール記念館の開館時間は11:00~19:00で、入館は閉館の30分前まで。月曜日(月曜日が休日の場合は翌日)と年末年始および特別休館日は休館となる。入館料は無料。