受賞を逃したスタジオジブリ・高畑勲監督の『かぐや姫の物語』

第87回米アカデミー賞授賞式が日本時間23日、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、長編アニメーション映画賞はディズニーの『ベイマックス』が受賞し、受賞が期待されていたスタジオジブリ・高畑勲監督の『かぐや姫の物語』は、惜しくも受賞を逃した。

『かぐや姫の物語』は、『火垂るの墓』(1988年)や『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994年)などで知られる高畑監督が、日本最古の物語文学『竹取物語』をベースに、製作期間8年、総製作費50億円を投じて作られたスタジオジブリのアニメーション映画。"姫の犯した罪と罰"とコピーに、筆と水彩で描いたようなタッチで濃密に描きこむことで生まれた独特の世界と空気感が見どころで、これまでのアニメにはなかった作画としても大きな話題となった。

今年の長編アニメーション賞は、宮崎駿監督の『風立ちぬ』が受賞を逃した昨年に続き、2年連続でスタジオジブリ作品がノミネート。宮崎監督作以外の日本アニメのノミネートは初であり、『千と千尋の神隠し』以来となる12年ぶりの日本アニメの受賞、そしてディズニー作品への雪辱に大きな期待が寄せられていたが、結果は『アナと雪の女王』に続く2年連続でディズニー作品が受賞した。

なお、短編アニメーション賞は、『ベイマックス』同時上映の短編映画『愛犬とごちそう』が受賞。同賞にノミネートされていた、堤大介氏と日系米国人のロバート・コンドウ氏が共同監督を務めた『ダム・キーパー』も受賞を逃している。

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