ニュージーランド最大の都市・オークランドには、そのエリアによって様々な顔がある。日本で言う青山や表参道のようなおしゃれエリアというとポンソンビーなのだが、そのポンソンビーには"注射器ドーナツ"なるものがあるのだ。

"注射器ドーナツ"の原型となるドーナツは、店頭にさりげなく盛られている

芸術家が好む街・ポンソンビー

"注射器ドーナツ"を提供しているカフェ「Foxtrot Parlour」は、2012年にできた商業施設「ポンソンビーセントラル」の中にある。ポンソンビーエリアはスカイタワーがあるオークランド中心地から車で5~10分程度の郊外で、アパレルショップやインテリア雑貨などの店が連なり、特に芸術系の人が好んで住んでいるという。そんな中で「ポンソンビーセントラル」は、レストランやスーパーなど主に食をテーマにしたサービスを提供している。

噂の"注射器ドーナツ"の商品名は「ホイヨドーナツ」(6NZドル=約550円)。"ホイヨ(foiyo)"を含めて、このドーナツには「foxtrot's original "inject-your-own" doughnuts(自分で作れるオリジナルドーナツ)」という意味が込められているようだ。筆者はチョコレートクリームにしたが、クリームはチョコレートのほか、カスタード、キャラメル、ベリーから好きなものを選べる。

カフェ「Foxtrot Parlour」にはスイーツやパンもいろいろ。店内席のほか、テラス席もある

"注射漏れ"に注意!

しばらくすると、ウッドトレーの上にドーナツとバタークリーム、そして、チョコレートクリームが一杯詰まった"注射器"が登場。ドーナツは中まで生地ぎっしり詰まっているので、どこからどうやって"注射器"を射していいのか悩んでしまう。

こちらが「ホイヨドーナツ」(4NZドル=約550円)、人呼んで"注射器ドーナツ"である。ぜひ紅茶(6NZドル=約370円)などとご一緒に

覚悟を決めて側面から"注射器"を射し、先をちょっと動かしてチョコレートクリームの空間を確保したら一気に注入。ドーナツの中にチョコレートクリームが詰まっていくのが手を通じて伝わってくる。ただ、空間の確保が不十分だったようで、最後はドーナツの外にチョコレートクリームがあふれ出てしまった。

ドーナツには砂糖がまぶされているが、生地そのものは甘味を抑えているよう。ただし、"注射器"の中にはたっぷりクリームが入っているので、甘さ加減は自分で調整した方がいいだろう。そして、バタークリームもお好みで。

射す。入れる。入れる。入れ……出ちゃった

ずいぶんとチョコレートクリームが出てしまったが、うまく入れればちゃんと中に納まると思われる。お好みでバタークリームも

甘党の筆者はチョコレートクリームを全部注入し、バタークリームもディップして食べてみたが、紅茶とともに最後までおいしくいただけた。ただし、口の周りにはふき取ったつもりのチョコレートクリームがまだ残っていたようで、「チョコレートクリームがついていますよ」と人に指摘されることに。食べ終わった後は、しっかり鏡を使って口を拭くようにしていただきたい。

アルゼンチン料理や石釜のピザも

「ポンソンビーセントラル」にはカフェのほか、アルゼンチンスタイルのグリルが楽しめる「El Sizzling Chorizo」、ピザ窯を設けたイタリアン「Dante's Napoletana Pizzeria」、日本料理レストラン「Tokyo Club」、日本でもなかなかお目にかかれないようなヌードルも提供する「Chop Chop Noodle House」といったグルメスポットが満載。

また、その場で料理もしてくれる魚屋さんを始め、赤みがかったブロッコリーやニュージーランドでは高級食材のシイタケなどもそろえた野菜コーナーや、肉、乳製品、ワインなど新鮮な食材が並んだマーケットもある。ドーナツ以外にも、ビスケットでサンドしたアイスクリームやクレープ、ベーカリーなど、街歩きの疲れを癒やすスイーツのお店もいろいろだ。

食のほか、インテリア雑貨や花屋、そして占いの館まで、ただ眺めているだけでもワクワクしてくる空間が「ポンソンビーセントラル」には広がっている。観光の合間に、おしゃれな街・ポンソンビーにあるこの場所でゆったりとしたひとときを過ごしてみてはいかがだろうか。

※1NZドル=91.9円で換算。記事中の価格・情報は2014年12月取材時のもの