俳優の及川光博と黒木メイサが、WOWOWで11月にスタートするドラマ『悪貨』にW主演することが21日、明らかになった。

及川光博と黒木メイサ

この作品は作家・島田雅彦の小説を原作に、"カネ"に群がり、翻弄される人間たちの欲望を描いた金融サスペンス。ある日、最新鋭の鑑定機もすり抜けるほど精巧なニセ札がばらまかれたことをきっかけに、若き大富豪、美しい潜入捜査官、ニセ札鑑定の達人、謎のコミュニティ代表といった、さまざまな立場と思惑を抱えた人間たちが入り乱れるスリリングな群像劇だ。

主演の一人であり、巨額の資金を操る投資家・野々宮を演じる及川は「野々宮はひと言でいうならミステリアスな男。ふた言で言えばミステリアスで哀しい男。スタンダールの『赤と黒』の主人公・ジュリアン・ソレルのような…胸さわぎのするキャラクターだなと感じました。黒木さんは今回初共演なのですが、僕の楽屋に挨拶に来てくれた彼女はとても朗らかで、なんとも眩しい笑顔でした。冷たささえ感じさせる麗しい容姿のギャップにちょっと萌えました(笑)」とコメント。

もう一人の主役であり、野々宮に接触を図ろうとする警視庁の捜査官・宮園エリカを演じる黒木は「誰が何のために…? と、先が気になる台本に夢中になりました。エリカは自分の思いと任務に挟まれ、葛藤する女性。個人の感情を潜入捜査に持ち込んではいけないのかもしれませんが、一人の女性として感情も生まれてしまうはず…難しい役になりそうです。及川さんは台本を頂いた時から謎めいた野々宮さんにぴったりだと思いました」と、役柄へのこだわりと及川への言葉を語った。

原作者の島田雅彦は「ミッチーが好きな人は、見知らぬ世界に踏み込む勇気のある人だ。メイサの行動が気になる人は危ない橋を渡りたい人だ。『悪貨』のヒーロー、ヒロインにこれほどうってつけの男と女がほかにいるだろうか? ミステリーと社会面の記事が地続きであるように、ドラマは現実を模倣しつつ、現実を越えようとする贋金みたいなもの。『悪貨』はずっとドラマ化されることを待っていたが、ようやく機が熟した。パンドラの箱を開く時のワクワク感に震えている」と、二人の共演に熱い期待を寄せている。