広島県の因島は豊かな自然と海に囲まれた温暖な気候の地。どこか懐かしい雰囲気さえ漂う島を巡っていると、二度見せずにはいられない変わった畑が現れる。この「万田びっくりファーム」、第一印象は「何かの間違いじゃないのか!?」というものだった。

こちら、みなさんおなじみの大根である

約3,300平方メートルに巨大がいっぱい

「万田びっくりファーム」を運営しているのは、植物発酵食品などを展開する「万田発酵」。同社は因島が育んだ自然生まれの「万田酵素」を、健康食品やスキンケア、農業・園芸の肥料などに活用し、人や自然に優しい"健康生活"をサポートしている。そうした取り組みを広く伝えるために、同社は無料の工場見学を行っているのだが、注目したいのは工場とともに無料で公開している「万田びっくりファーム」である。

この奥には未知なる世界が……

ファームの広さは約3,300平方メートル。敷地内には畑のほか、ビニールハウスや根っこのトンネル、そして、同ファームの名物でもあるジャンボ大根のオブジェもある。こちらは高さ8m、最大直径2mにもなるが、もちろん、実物はこれほど大きくない。ただし、時には30kgにもなる規格外大根である。

ファームはオールシーズン楽しめるよう、その季節ごとに"びっくりどころ"が収められている。取材で訪れた3月は色鮮やかなパンジーが出迎えてくれたが、夏にはびっくりスイカや5m級のびっくりヒマワリが、秋には巨大ひょうたんや300kgにもなる巨大カボチャが、冬にはひとりでは絶対引っこ抜けないびっくり大根やカブがファームで待ち構えている。

時期を過ぎてしまったが、ファームには大根とカブが"いた"

大根の上にキャベツが!?

3月末というと、大根やカブ、ブロッコリー、カリフラワーは収穫時期を過ぎている。そのため、ファームではすでに花を咲かせている状態だったのだが、花のせいでより一層、規格外さが伝わってきた。その姿はちょっとしたモンスターである。ジャンボ大根などは幼稚園児並みの大きさなので、収穫する際は周りを掘り進めてひげ根を切り、数人が力を合わせて引っこ抜くそうだ。また、掘り出されたサトイモには、尋常じゃない数のイモがくっついていた。

花開いたカリフラワーとブロッコリー。その姿はもはやモンスター

色鮮やかな紫大根と紫キャベツ

「ここまで大きいと、味も大味なのかと思われがちですが、ちゃんと栄養もしっかり、味わいもしっかりです」と、ファームを案内してくださったスタッフは言う。万田酵素を用いた肥料には、植物の活性化や収穫量の増加、品質の向上を促す働きがあるという。

とはいえ、中には妙なコラボもある。大根にキャベツを接ぎ木した「キャベコン」や、トマトにナスを接ぎ木したもの、1本の木に何種類ものみかんがなるものまであるのだ。こちらに関しては「やってみたかったから」ということだったが、実際その目で見ると植物の未知なる可能性を思わずにはいられない。

何度見ても不思議な「キャベコン」。ともにちゃんと食べることができる

工場見学や万田びっくりファーム見学は無料だが予約が必要で、開場は年末年始を除く8時45分~17時となっている。団体のみならずひとりから受け入れているので、ぜひ、植物たちの秘めた力を実感しに、ファームへ足を運んでいただきたい。

ファームのそばには、同社が展開している商品をそろえたショップを設置。キャラクターの大根もかわいらしい

万田発酵は2013年から2017年まで、スポンサーマンチェスター・ユナイテッドFCのスポンサー契約をしている。ここで香川真司と記念撮影も!?

※記事中の情報は2014年3月取材時のもの