JR東海は2014年度の重点施策を発表した。鉄道の基本である安全・安定輸送の確保に取り組むのはもちろん、東海道新幹線と在来線での輸送サービスの充実、超電導リニアによる中央新幹線計画や名古屋駅でのJRゲートタワー計画などを着実に推進していくとしている。

JR東海が2014年度の重点施策を発表

安全・安定輸送の確保に向けた取組みとしては、東海道新幹線の土木構造物の大規模改修工事と脱線・逸脱防止対策、在来線の高架橋柱などの耐震化、浜松工場・名古屋工場・駅舎などの建替え・耐震補強工事などを推進。とくに、新幹線土木構造物大規模改修工事には2014年度だけで350億円を投じる。

東海道新幹線の輸送サービス充実に向けては、引き続き新型車両N700Aの投入とN700系の改造工事を推進。N700Aは2014~2016年度にかけて、年度ごとに6編成を導入する計画だという。2015年度に予定している最高速度275km/hから285km/hへの引上げに向けた準備も着実に進める。

東京駅と名古屋駅で取り組んでいる新型可動柵の設置工事も引き続き推進し、さらに京都駅への設置工事にも着手するとした。新型可動柵は東京駅(18・19番線)では2015年3月末までに、名古屋駅(15~17番線)と京都駅(11~14番線)は2016年3月末までにそれぞれ順次使用を開始する予定。

在来線では2015年春の武豊線電化開業に向けた工事を進めるとともに、電化開業時に導入する313系電車28両を新製。高山本線と太多線に投入する気動車(キハ25形)16両も新製する。キハ25形気動車は2015年度にも36両を新製し、紀勢本線と参宮線に導入するという。

超電導リニアによる中央新幹線計画に関しては、今年度、東京都・名古屋市間において、「環境影響評価書」の公告と工事実施計画の認可申請を行うとした。超電導リニア技術のブラッシュアップにも挑戦。2014年度末までに新型車両L0系全14両の投入を完了し、現在7両編成で実施している山梨リニア実験線での走行試験を最長12両編成に拡大する。営業運転仕様の車両・設備での走行試験を続けることで、車両や地上設備の保守体系の確立をめざす。2014年度中には、超電導リニアの体験乗車を実施する考えだ。

すでに建設に着手した名古屋駅の新駅ビル「JRゲートタワー」も着実に推し進め、2017年4月のグランドオープンに向けて、事業内容などの具体化やテナント誘致を積極的に進めるとのこと。東海道新幹線開業50周年企画の実施も2014年度の重点項目のひとつ。記念企画商品の発売、グループ会社やリニア・鉄道館での各種催しの実施などに加え、「東海道新幹線開業50周年記念高速鉄道国際会議(仮称)」を開催する計画だという。