駅構内や電車の中、テレビCMなど、マナー広告を目にする機会はよくありますが、海外にも似たような広告ってあるのでしょうか。また、あるとしたらどんな内容のものが? 日本に住む20人の外国人に、マナー広告について聞いてみました。

■日本の地下鉄で「痴漢は犯罪です」という広告を見て、笑いました。残念ながら母国では当たり前のことです(ギリシャ/30代前半/男性)

■痴漢しないでくださいというのは面白い。日本でそんなにあるは本当ですか?(マリ/30代前半/男性)

確かに、海外にもマナー広告はありますが、痴漢に関するものは見たことがありません。特に電車の中では混みすぎているので冤罪もあるとは聞きますが、それでもやはり数が多いですよね。お恥ずかしい……。

■母国ではマナーについての広告はありませんが、銀行で流れている情報や注意ビデオが面白くて、長い時間並んで待っている人たちは笑って楽しんでいます。日本の地下鉄のマナー広告は面白くて、写真とって集めていました(例えば、化粧は家でやってくださいなど)(ペルー/40代前半/女性)

■母国ではポスター広告が多いです。面白いと感じた日本のマナー広告は、電車で化粧しないマナー広告です(シリア/30代前半/男性)

電車の中でお化粧する人は海外にはないのか、あるいは気にしないのか。筆者は車内でお化粧している人を見かけると、その手際の良さに感心して思わず眺めてしまいますが、他人をじろじろ見るのと公共の場でお化粧をするのと、どちらがマナー違反なのか考えてしまいます。

■中国でも環境保全などの広告があります。最近面白いと感じた日本のマナー広告は、駅内の歩きスマホの広告です(中国/20代後半/女性)

■(日本の広告で印象的なのは)駅にある、禁煙や携帯の使用に関して注意を喚起したもの(オランダ/30代前半/男性)

■タイではマナーを守りましょうっていうCMはあまりないです。ですが、バスや電車などでちゃんと席をゆずることは毎日見かけます。日本の面白いと感じたのは、車内で通話することがNGなことです。だって、小さい声で電話するよりデカイ声で盛り上がるように話してる方が迷惑だと思います(タイ/30代後半/女性)

駅や電車の中のマナーがいろいろ厳しいのが日本、という感じですね。歩きスマホは事故が頻発したこともあり危ないですが、日本だけでなく海外にもこうした事故は多いのではないでしょうか。とはいえ、そこは「自己責任」とされているのかもしれませんね。タイでは車内通話はOKですが、BTSなど都会の公共交通機関の車内でものを食べることが禁止されています。

■母国ではマナーについて広告あまりを見ない。日本では、電車の漫画キャラのマナー広告が面白い(アメリカ/30代後半/男性)

■ドイツにはほとんど見かけません。京王線で「マナー川柳」のポスターをよく見かけますが、川柳の内容は面白いですし、イラストもきれいで分かりやすいです(ドイツ/30代後半/男性)

■韓国では銀行、病院の広告も多い。日本のCMでは”(迷惑な行為は)家でしましょう”みたいなキャッチフレーズでシリーズ化していた広告が面白くて、記憶に残っている(韓国/30代後半/女性)

広告の内容よりも、その手法が面白いというご意見。確かに、シリーズものの面白い広告はついじっくり見てしまいます。

■母国のは、飲食禁止、犬は後ろのドアから乗車(バス)、落書き禁止(地下鉄)など。日本のもので印象に残っているものは特にありません(チェコ/30代後半/女性)

■母国では、戦争が続いている国への寄付を願う放送が公衆のところに多い(トルコ/20代後半/男性)

日本と大分違うマナー広告。トルコのはマナー広告ではありませんが、近隣諸国の情勢を考えれば、一般の人々にとってもこれはかなり身近な問題なのかもしれません。

公共マナーを注意喚起するのはどの国でもよくあることですが、広告という形でわざわざポスターを作ったりテレビでCMを流したりする国は意外と少ないようです。日本はマナー広告が多いと見えますが、だからこそ海外に出た日本人のマナーの良さが、絶賛されるのではないでしょうか。