俳優の永瀬正敏と女優の工藤夕貴が7日、東京・渋谷ユーロスペースで行われた映画『りんごのうかの少女』の初日舞台あいさつに出席した。

左から、横浜聡子監督、永瀬正敏、工藤夕貴

同作は、『ジャーマン+雨』で日本映画監督協会新人賞を受賞した横浜聡子監督が、青森を舞台に思春期の少女とその家族を描いた作品。りんご農園を営む三上家の長女で中学生のりん子(とき)は、仲が悪い母・真弓(工藤)と祖母、酒ばかり飲んでいる父・玉男(永瀬)に嫌気がさし、家出を繰り返す。ある日、久々に家に戻ったりん子を出迎えたのは、父が残した1頭の馬と深い悲しみだった――というストーリーで、同劇場ほか全国順次公開。

永瀬と工藤は、ジム・ジャームッシュ監督の「ミステリー・トレイン」以来、24年ぶりの共演。「久しぶりに永瀬くんと共演出来てうれしかった」と喜んだ工藤は、「あの頃はまだやんちゃな時代だったから、非行少女を抱えた冷めた夫婦を演じて一巡したなと感じた」と感慨深げ。一方の永瀬も「17歳の時から全然変わってなくてビックリした」と久しぶりの共演を楽しんだ様子だった。そんな2人は全編津軽弁での演技だったが、工藤が「頭の中でズーズー弁がグルグルしてた。自分なりに頑張ったと思う」と振り返ると、横浜監督は「どの役者さんも津軽弁は難しいと言ってるのに、ほぼ完璧で驚いた」と大絶賛していた。

また、イベントでは、主人公のりん子を演じた青森の地方アイドルユニット・りんご娘メンバーのときが、「初めての主演でプレッシャーだったけど、永瀬さんと工藤さんが本当のお父さんとお母さんみたいで優しかったです。青森の美しい風景も楽しんでください」とメッセージを寄せ、工藤が「可愛くて愛おしかった」と微笑むと、永瀬は「訛ってんな~」と言いつつ照れ笑い。最後に工藤は、「ときちゃんを見て、私も親に心配をかけたり反抗したりしてたんだと思った。私は子どもを産んでないけど、親から命をもらったことがどれだけ素晴らしいことかということを感じて欲しい」と同作への想いを熱く語った。