川崎重工業は24日、次世代の鉄道車両台車「efWING(イーエフ ウィング)」を発表した。台車フレームにCFRPを採用し、開発された世界初の鉄道車両台車とのこと。

川崎重工が開発した鉄道車両台車「efWING」

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)は高い強度と軽さをあわせ持ち、曲面形状の成形に有利な複合材料で、航空機や自動車などにも使用されている。「efWING」では、従来の台車では鋼製だった台車フレームの主構造にCFRPを採用。台車フレームとコイルバネの機能をCFRP製台車フレームに集約することで、台車の軽量化と構造の簡素化を図っている。その結果、台車フレームの重量が従来比で約40%削減され、1両あたり約900kgの軽量化となるため、走行燃費向上などのランニングコスト低減とCO2排出量の削減に貢献するという。

実用化に先駆け、アメリカ鉄道協会運輸センターにて約4,500kmの走行試験も実施し、基本性能と走行安全性能は確認済み。CFRP製台車フレームは弓形でサスペンションの機能を持ち、各車輪がレールに与える力を安定させることから、乗り心地だけでなく脱線に対する安全性も向上するという。脱線原因のひとつである「輪重抜け」に関して、「efWING」では従来の半分以下と大幅に改善されている。デザインも感性工学にもとづき、性能・外観・コストをトータルにコーディネートし、洗練された機能美で次世代の鉄道車両台車を具現化した。