阿部サダヲ主演で、井上真央、尾野真千子、竹野内豊らが出演し、宮藤官九郎が脚本を手がける映画『謝罪の王様』が、2013年9月28日に全国公開されることが5日、明らかになった。

左から竹野内豊、阿部サダヲ、井上真央

『舞妓Haaaan!!!』(2007年)、『なくもんか』(2009年)などでタッグを組んだ脚本・宮藤官九郎、主演・阿部サダヲ、監督・水田伸生が、本作で3年ぶりに再結集した。阿部サダヲ演じる黒島譲は架空の職業「謝罪師」を生業とし、ケンカの仲裁のような小さなトラブルから、政府を巻き込んだ国家存続の危機まで、謝罪のテクニックを駆使して解決し、ついには土下座を超える究極の謝罪で日本を救ってしまう。

主演の阿部は、台本を手にとった時を「最初から最後まで面白い人ばっかりたくさん出て来るすごい台本でした!」と振り返り、「そしてそこにハマって来るキャストの皆さんの顔ぶれ…楽しそう。号泣! 爆笑! 平和! 頑張ります!」と意気込んでいた。また、ヒロインを演じた井上真央は、当初は「なんてむちゃなお話なんだろう」と戸惑いながらも、「想像を超える展開と笑いの中に日本人の気質や風刺が練り込まれ、これが宮藤官九郎ワールドなんだ! と度肝を抜かれました」と驚きを隠せない様子だった。

『なくもんか』公開後、宮藤は水田監督から「風刺喜劇をやりませんか?」と言われたという。宮藤にとって、風刺は未開拓の分野。新たな挑戦に心を躍らせながら臨んだ宮藤だったが、現実社会のめまぐるしい変化になかなか追いつくことができずに物語は二転三転した。どうしたものかと頭を抱えた時に、宮藤は「なにが起こっているかは分からないけれど、テレビをつけるといつも誰かが謝っている。中には『それ、謝る必要ある?』というケースもありました」と気づき、「謝罪」をテーマにした本作にたどり着いた。

宮藤が「キャストが豪華でとにかく驚いています」と言うほど、共演陣は豪華。岡田将生、尾野真千子、高橋克実、松雪泰子、竹野内豊、荒川良々、濱田岳、小野武彦、濱田マリといった名優たちが、痛快娯楽ブラック社会風刺コメディーのもとに集まった。