5年前の初音ミク発売から現在に至るまで第一線で活躍を続けるOSTER project

ニコ動ユーザーなら誰もが知るヒット曲を数多く発表してきた「doriko」

一方で、ボーカルはボーカロイドに任せ、ギターやキーボードなどの演奏で魅せたのが「とく」「じん(自然の敵P)」「koma'n」「OSTER project」「まらしぃ」「ダルビッシュP」「buzzG」らだ。中でも「OSTER project」は今回唯一の女性Pとして、また最古参のボカロPとして、圧巻のステージを見せてくれた。そういえば彼女は過去にもニコファーレでソロライブを行っており、その際も会場は満員、生放送も大勢の視聴者で賑わっていた。

さらにドワンゴは今回、一つのサプライズをしかけていた。それは、2日目のトリを務めた「doriko」のステージでのこと。ニコファーレのステージ背後のモニターに、アニメ調の少女が映し出されたのだ。

この日、リアルタイムモーションキャプチャで登場したのは歌い手の「花たん」。「doriko」の演奏でボカロ曲「飴か夢」を熱唱する様は、何だか不思議であった

単なる映像ではない。新技術・リアルタイムモーションキャプチャにより2次元の見た目を与えられた"本物の人間"だ。これは別の場所にいる人の動きを正確にキャプチャし、それをリアルタイムにキャラクターのモデルに反映させるというもの。つまり、キャプチャ元の人物が手を挙げればキャラクターも手を挙げるし、首を傾げれば首を傾げるのだ。動きを同期するためのタイムラグがないため、たとえば会場とのコール&レスポンスや、バンドメンバーとの掛け合いなども正確に行うことができる。顔出ししていない"歌い手"がニコファーレでライブする際には欠かせない演出になりそうだ。もしこれが3Dに進化したら……すごい未来が待っている予感がする。

ラストは200万再生を突破している大ヒットバラード「歌に形はないけれど」

イベントの最後を飾ったバラード「歌に形はないけれど」の演奏前に、「doriko」は「もともと音楽で食べていこうとは思ってなかった」と5年前の自身を振り返った。「歌に形はないけれど」を最後に音楽をやめようと考えていた「doriko」だが、この曲が大勢の人に支持されたことで、音楽を続けようと思えたのだという。

ボーカロイドと出会ったことで人生が変わったボカロPは彼だけではないだろう。Google ChromeのCM曲「Tell Your World」で初音ミクが歌ったように、ボーカロイドは大勢の人々を結びつけ、既存の音楽業界とは違う新たなカルチャーを創生した。

ボーカロイドは今後の音楽シーンにどんな影響を与えるのか

その意味で、13人のボカロPと会場に集まった約250名の観客、そしてネットで視聴した14万人を結びつけた「ボカニコナイト」の熱狂ぶりは、まさにボーカロイドカルチャーの本質を体現したものだったのではないだろうか。