俳優の松田龍平が23日、東京・渋谷ユーロスペースで映画『9souls(ナインソウルズ)』の初日舞台あいさつを豊田利晃監督と行った。

映画『9souls(ナインソウルズ)』の初日舞台あいさつを行った松田龍平 拡大画像を見る

刑務所から脱走した9人の男たちの姿を通じて"弱き者"たちを描き出した同作が9年ぶりにニュープリントとして劇場に帰ってきた。板尾創路、千原ジュニアなどの逃走犯をまとめあげるリーダーを演じるのは昨年7月19日に亡くなった故・原田芳雄さん。9人の男達は1台のバンに乗り込み、大金が隠されているという富士山麓の小学校を目指すが…という物語。2003年に公開されたが、今回9年ぶりにリバイバル公開されている。

ステージに登場した豊田監督は「すべてを出し尽くそうとした映画。昨日この試写に遅刻してしまって、夢の中に芳雄さんが出てきて『来るのが遅い、来るのが遅い』と言われました」と感慨深くあいさつ。「この作品が初めて上映されたのが9年前の(命日である)7月19日。この上映は芳雄さんが仕掛けているのかなと思います」と語った。

脱獄犯9人のうち唯一の10代だった松田は「俺だけ10代で、みんな俺より倍以上年上。(撮影中も)実際に9人乗りのワゴンでぎゅうぎゅうになってロケを移動していて、そういうのもうまいこと映画になったんだなと思います」と振り返り、撮影中に松田は原田さんから誕生日プレゼントを貰ったことも。「芳雄さんが『車やるよ』と。『マジ? くれるんだ』と思ったら、赤いフェラーリの模型。今でも持ってます」と笑いながら語った。

作中では瑛太と憎しみ合う兄弟という役どころだが、松田は「瑛太は歳が近かったから一緒の時はホッとして、それを覚えてます。ラップを歌ってる瑛太を見てない人いるかもしれない」と隠れた見どころを明かし会場を沸かせた。原田さんについては「芳雄さんは、すごく親父に近い人だったから、父親に近いものを感じたいなと思って接して部分があって。でも俺も10代でなかなかどう接していいかわからないという気持ちで現場にいて……役柄も息子殺し(原田)と父親殺し(松田)という関係性で、特別な感覚でいたかもしれないですね」としみじみ語った。

監督は「『竜馬暗殺』で芳雄さんに松田優作さんが襲いかかるシーンと、ナインソウルズで龍平が田んぼで(原田さんを)後ろから襲うシーンが似ているって、芳雄さんに後で教えてもらったんですけど、芳雄さんも『不思議な気がする』と言ってました」と奇妙なエピソードについて語った。松田も「そのシーン、僕は余裕がなかったからなりふりかまってられなかった。芳雄さんが家で殺陣の稽古をつけてくれたんですけど、リアルにやること以外に役者として見せなきゃいけない技術も大事だなと思いました」と懐かしんでいた。6月23日、渋谷ユーロスペースほかで全国順次公開。また、同劇場では原田さんの一周忌にあたる7月19日に原田さんを偲ぶ追悼イベントが予定されている。