名作『風と共に去りぬ』で主人公スカーレット・オハラの妹役を演じたアン・ラザフォード (C)BANG Media International

アン・ラザフォードが、6月11日にカリフォルニア州ビバリーヒルズの自宅で亡くなった。94歳だった。アンの親しい友人で女優のアン・ジェフリーズは、アンが心臓に疾患があり、年々体の調子が悪くなっていたことを明かした。

アンは、1939年の作品『風と共に去りぬ』で主人公スカーレット・オハラの妹キャリーン・オハラを演じたことが最も有名で、生存する同作品の最後の出演者の1人だった。その当時、「MGM」(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)のトップ、ルイス・B・メイヤーは、本作のキャリーンを"つまらない役"と非難。アンは出演のチャンスを失いかけていだが、自分がいかに原作小説を愛しているかを訴えたことで、メイヤーは考えを改めたという逸話もある。

2009年に同作品が公開70周年記念を迎えた際、アンは「あの『つまらない役』が私の老後をプラチナ級の素晴らしいものに変えてくれたわ」と話し、また2010年にも、ロサンゼルス・タイムズ紙に「私はただその物語に生命が吹き込まれるのを見たかっただけです」と当時を振り返っている。

1930年代から40年代にかけて、映画『アンディ・ハーディ』シリーズで、主演のミッキー・ルーニーの恋人、ポリー・ベネディクト役を演じて脚光を浴びたアンは、その他にも、シンギング・カウボーイとして有名なジーン・オートリーやジョン・ウェインとの共演が有名だ。1950年頃から映画への出演はなくなったものの、1976年に引退するまで、『弁護士ペリーメイスン』に出演するなど数々のテレビ出演もこなす。これらの実績を認められ、アンはハリウッドのウォーク・オブ・フェイムに映画とテレビの両方で2つの殿堂入りを果たしている。

プライベートでは、1942年にデヴィッド・メイと結婚して娘のグロリア・メイを授かり、1953年にデヴィッドと離婚後、ウィリアム・ドージアと再婚。1991年にウィリアムが死去するまで一緒に連れ添っていた。

アンは生前、『風と共に去りぬ』のキャリーン役について「私の死亡記事には、私が『風と共に去りぬ』に出演して、それを誇りに思うとあるでしょうね」と予見していた。

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