会社法が改正されたので、自分ひとりでも会社が作れるようになりました。昔は資本金が1,000万円ないと作れなかった株式会社が、資本金1円で作れます。ただし「1円あれば会社が作れる!」というようなイイ話はありません。社会的に「会社」として認められるためにお金がかかるのです。そのコストとは、どのくらいのものなのでしょうか?

まずは定款を作る!

まずは定款作らないといけません。定款というのは、その会社が何をするのかを書いた書類です。どう書いても別に構いません。筆者も自分の会社を2個持っていますが、定款をどう書いていいかわからなかったので、知り合いの社長さんに定款をコピーしてもらって、それを自分の都合に合うように変更して作りました。今ならググれば定款のサンプルがいくらでも出てきますから、それをサンプルに作ればいいです。ちなみに定款は後で修正できます。

判子が要る!

定款と同じく、最初に作っておかないといけないのが判子です。これがないと各書類に押せません。とりあえず「会社の実印」と自分の「実印」があればいいのですが、できれば会社の認め印的に使う「角印」もあった方がいいです。たとえば請求書には「角印」を押して(別に実印を押してもいいんですけどね)、契約書には「実印」を押すという風に使い分けるわけです。

この判子が意外と高価です。判子屋さんは、ここぞとばかりに「象牙はいいですよー」などと1本10,000円以上もするような判子を営業してきますが、それに乗る必要はありません。材質などにこだわらなければ3,000円代からあります。あと、あるといいのが会社の「銀行印」です。会社の銀行口座で使う判子ですね。筆者は面倒くさいので自分の実印を会社の銀行印に使っていますが。

  • 会社の実印 : 3,480円~

  • 会社の角印 : 3,480円~

  • 会社の銀行印 : 2,980円~

会社を認証してもらう

定款ができたら「会社作ります。うちの定款はこれです」と公証役場に持って行って認証してもらわないといけません。

  • 収入印紙代が40,000円

  • 定款認証代手数料が52,500円

この合計、92,500円は絶対必要です。ただし、電子定款認証を使うと印紙代金の40,000円はかかりません。

法務局に登記する

会社は法務局に登記されて初めて会社になります。登記書類を作成しないといけません。登記書類の作成、記入例が法務局のホームページにあります。これを参考に書けば自分で作れます。株式会社の場合には、

  • 登録免許税が150,000円

がかかります。

登記が無事に終われば会社の完成です!

証明書のコスト

会社を設立して、たとえば銀行からお金を借りるとか、取引先に口座を開いてもらうなどの時には、以下のような書類が必要になります。

  • 会社の登記簿謄本 : 700円

  • 会社の印鑑証明書 : 500円

法務局で印鑑証明書を取ると1通700円、印鑑証明書が1通500円です。以前は混んでると交付されるまで結構待たされたのですが、今は「印鑑カード」を使うことで、窓口に書類を申請書類を出すよりも早く、登記簿謄本や印鑑証明書を交付してもらえます。ちなみに印鑑カードは法務局で無料で交付してもらえます。

コストのまとめ

「定款とか登記書類なんか全部自分で作るもんね」ということであれば、以下のコストで株式会社の一丁上がりです。

資本金 1円
会社の実印 3,480円
収入印紙代 40,000円
定款認証代手数料 52,500円
登録免許税 150,000円
登記簿謄本 700円
印鑑証明 500円
合計 247,181円

電子定款認証を使うなら上記から40,000円を引いて、207,181円です。

司法書士さんに頼むなら

定款を作ったり、法務局へ行ったりする時間はないということであれば、司法書士さんに依頼するのがいいです。筆者も最初の会社は全部自分で手続きをやったのですが、2つ目の会社設立の際には司法書士さんに依頼しました。

というのは、とにかくドラクエの勇者なみに「あっち行ったりこっちへ行ったり」しなくてはならないので、正直大変なのです(笑)。その時間と労力をセーブしたいなら、司法書士さんにお願いするのはいい手段なのです。ネットで安価で引き受けてくれる司法書士さんを探して依頼するといいでしょう。ちなみに筆者がお願いした先生は75,000円でした。大体50,000円~100,000円ぐらいが相場なようです。

株式会社を作るコストは、資本金1円でも250,000円~350,000円(司法書士に頼んでも)ですね。本当に1円で事業を始めたいなら「個人事業」のスタイルで始めるという手があります。この場合には、税務署に行って「開業届」を出すだけなので、コストは0円です。

(初桐有@dcp)

【関連サイト】

法務局の登記書類サンプル掲載ページ

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