昨年2010年末から何度も発表延期が伝えられてきた米News Corporationと米Appleの共同プロジェクト「The Daily」だが、最終的な発表スケジュールがようやく2月2日(米国時間)に決定したようだ。メディア関係者にイベント招待状が送付され始めたことを、英Reutersなど複数のメディアが報じている。

The DailyはiPad専用の日刊新聞紙で、News Corp. CEOのRupert Murdoch氏肝いりで100人以上の業界プロフェッショナルを集めた編集体制を築いたことが知られている一大プロジェクトだ。またApple側も同プロジェクト成功に向けていくつかの施策を進めており、その1つがiTunesへのサブスクリプションサービス導入だ。

サブスクリプションの採用により、ユーザーは雑誌などのコンテンツの購読を開始すると、毎月ないし毎週といった一定タイミングで新コンテンツの入手が可能になると同時に、自動的に課金が行われるようになる。Amazon.com Kindleなどではすでに導入されている仕組みで、これがiPadでのコンテンツ消費を加速させる可能性が指摘されている。一方で、Appleはこれまで各社ばらばらに行っていた追加コンテンツの課金方式を一本化するようiTunes Storeの規約改定を進めているともいわれ、これが一部で反発や将来への懸念も呼び起こしている。

なお、当初両社による発表は1月19日に米カリフォルニア州サンフランシスコ市内の美術館が予定され、Murdoch氏ならびに米Apple CEOのSteve Jobs氏が登場するといわれていた。だが今回の招待状では会場として米ニューヨーク市内のSolomon Guggenheim Museumが指示されており、登壇者もMurdoch氏と米Appleインターネットサービス担当VPのEddy Cue氏の2名になっている。おそらくJobs氏の病気療養での離脱を受け、イベントのリスケジュールならびにNews Corp.の本拠地であるニューヨークへと会場変更が行われたものとみられる。