「婚活」の二文字を見聞きするたび、「けっ何が婚活だよ!」などと、どこか白々しい気持ちになっていた。これには、「恥ずかしい」という気持ちと、「わざわざ婚活なんてしなくても、まじめに働いてさえいれば、いつかはいいお見合いにめぐり合えるだろう」という、(何の根拠もない)悠長な考え方があったからだ。しかし、三十路も間近に日々目まぐるしく働いていると、「いい出会い」なんていうものは、そうそうそのヘンに落ちているものではなく、歳を重ねるに連れ、出会いの機会が減っていく、ということにも薄々気が付いてきたのだ(遅すぎるかもしれないけど)。

そこで、僕は以前からちらほらと耳にする「お見合いパーティー」なるものに、ふと関心を持った。調べてみると、この手の「出会いパーティー」は、いわゆる「結婚相談所」などにくらべて、「友達を作るような感覚」でラフに参加できるというのがウリのようだ。確かに、いくら出会いが少ない僕であっても、いきなり結婚が目前にあるような出会いは、正直重過ぎる。気軽に参加できるなら、一度は経験しておいても悪くないのではないか、と思ったのが、参加を決めた理由だ。

参加したのは赤ペンで囲っている企画だ。何しろ大祭典だ。いい出会いに期待したい

扉の奥はどんなユートピアが広がっているのか(期待しすぎだろうか)

僕は数ある「お見合いパーティー」の中から、「シャン・クレール」が主催している「人気No.1"クリスマス恋の大祭典"」という企画に参加することにした。参加の決め手は、同社が首都圏で16年前からパーティーを主催していたこと。老舗の信頼感に賭けてみようと思ったのだ。さて、本当にいい出会いにめぐり合えるのか?

予約は電話一本ですぐにできた。男性は5,500円。女性は無料のようだ。こういうときばかり、女性はいいなぁなんてことを思ってしまうたちなのだが、そんなケチくさいことを言っても仕方がない。これは先行投資なのだ!(我ながら器が小さいと思う)

参加したのは、「シャン・クレール」のパーティーの中でも、特にラフな雰囲気だとされる企画の一つ。「まずはお友達から」といった気持ちの参加者が多く、とにかくたくさんの異性に出会えるのが特徴のようだ。会場は東京・新宿の住友ビル48Fの一室。会場前にはきれいなお姉さんが立っていて、僕を笑顔で受け入れてくれた。

開始10分前、ロビーに入る。ここでは、あらかじめ机の上に用意されている「エントリーカード」に、自分の名前や連絡先などを記入するよう指示される。書き終えたらそれを参加費と共にスタッフに手渡す。「プロフィールカード」と「番号札」をもらって受付完了。ついに会場入りだ……続きを読む