シンガーソングライターの佐野元春が24日、都内で音楽監修を務めたWOWOWスペシャルドラマ『コヨーテ、海へ』(2011年1月3日放送)のプレミア試写会の舞台あいさつに、出演者の林遣都、長渕文音、佐野史郎、堤幸彦監督と共に登壇した。

スペシャルドラマ『コヨーテ、海へ』のプレミア試写会に出席した佐野元春 拡大画像を見る

同作は佐野の音楽にインスパイアされてきたという堤監督が、佐野が影響を受けたアメリカの"ビート・ジェネレーション"にオマージュを捧げたオリジナル脚本で映像化。作品のタイトルにもなっている「コヨーテ、海へ」をはじめ、全編に佐野の楽曲が使用され、数秒ながら本人も劇中に登場。ニューヨーク、ブラジル、日本を舞台にしたロードムービーで、1950年代のアメリカの若者の"ビート"に触れながら、父と子の物語や友情、魂の旅を描いていく。

堤監督とは同年代で、1980年代に単身ニューヨークへ渡るという共通の経験と時代を生きてきた佐野は、「堤監督は映画という表現を突き詰めて、僕は音楽を突き詰めてきた。同じ表現者として、僕ら50代の男が今の世の中をどういう風に見ているのかを感じてもらえたら」とメッセージを送り、「50年代のビートをテーマにしていますが、実際は親子の物語や同世代の男同志の友情、若い2人の物語があって人間の関係について深く見つめた作品」と思いを込めて語った。

また、林演じる主人公のハルが、佐野がニューヨーク滞在中に作ったという詩「国籍不明のNeo-Beatniksへ捧ぐ」を、ニューヨークの教会で朗読するポエトリーリーディングのシーンについて、「僕も同じ教会で朗読したことがあるので、まるで20代の自分を見ているようで感動しました」と感慨深い表情を見せると、同作がドラマ初主演となる林も、「最初はただ詩を読むという表現方法が分からなかったんですが、佐野さんのポエトリーリーディングの映像を見させていただいたら鼓動が止まなくて、そのときに感じた魂を思いきりぶつけました」と、佐野の思いを継いで演技に向かったことを明かした。

左から、堤幸彦監督、佐野元春、林遣都、長渕文音、佐野史郎

WOWOWスペシャルドラマ『コヨーテ、海へ』は、2011年1月3日に、『佐野元春30周年アニバーサリー特別番組』と2本立てで放送予定。