JR東日本は8日、C61形蒸気機関車を復元して2011年春から運行計画を発表した。群馬県伊勢崎市の華蔵寺公園遊園地で展示保存されている「C61 20」を再整備するという。同社のSLは現在、C57形とD51形が復活運転を実施しており、今回のC61で3台目の復活となる。C61形は全長20.4m、重量79.5tで、3台のSLの中では最大サイズとなる。

復元が決まった「C61 20」

C61形蒸気機関車は、戦後の旅客輸送需要の急増に対応するために製作された。C57形の車輪や台枠を基に、余剰となっていたD51形のボイラなどを搭載。1947(昭和22)年から1949(昭和24)年にかけて、33両が作られたとのこと。

この「C61 20」は1949年7月に三菱重工で改造の上誕生し、青森・仙台・宮崎などで活躍した後、1973年に廃車となり、翌1974年から群馬県伊勢崎市の華蔵寺公園で保存展示されていたという。現役時代は、東北地方初の特急列車「はつかり」や、寝台特急「はくつる」の仙台-青森間を牽引したとのこと。

同社の計画によると、「C61 20」は主に上越線の高崎 - 水上間、信越本線の高崎 - 横川間で運行する。同区間はD51形が「SL奥利根号」「SL碓井号」を運行しており、今後はD51形とC61形を使用して、年間110日程度のSLを運行する予定。また、C61形の復活に合わせて旧型客車7両の整備も行い、各地で開催されるイベントや新たな旅行商品に対応する予定。