フジテレビ"ノイタミナ"ほかにて2010年1月14日より放送開始となるTVアニメ『のだめカンタービレ フィナーレ』。2007年1月より放送された第一期、そして2008年10月からの第二期『巴里編』ともに高い人気を誇っただけに、『フィナーレ』となる第三期には大きな期待と注目が集まっている。

川澄綾子、関智一、今千秋監督が語る『のだめカンタービレ フィナーレ』

(写真左より)関智一、川澄綾子、今千秋監督、そしておなじみ(?)のマングース

そこで今回は、『のだめカンタービレ フィナーレ』のアフレコ終了後に、のだめ(野田恵)役の川澄綾子、千秋真一役の関智一のメインキャスト2人と、『巴里編』より指揮をとっている今千秋監督に作品の魅力や意気込みついて語ってもらった。


――まずは自己紹介をお願いします

今千秋監督「監督の今千秋です。私は『巴里編』から参加したのですが、ひょっこりと途中乗車して、最後までご一緒させていただくことができ、とてもうれしく思っております。よろしくお願いいたします」

川澄綾子「のだめ役の川澄綾子です。一番最初の『のだめ』から考えると、何年経ったのだろうという感じなのですが、最初の頃は"フィナーレ"を迎えられるとはまったく思っていなかったので、最後まで演じることができるのは本当に幸せなことだと思っています。これまでのすべてを注ぎ込んで"フィナーレ"を迎えたいと思いながら、アフレコに臨んでいます」

関智一「千秋真一役の関智一です。3つのシーズンを合わせると約50本近く、一年分の分量をお付き合いすることができてとても幸運だと思っています。三度もアニメ化されるということはなかなかないことなので、長く愛される作品に関われて幸せな関智一です(笑)」

――『のだめカンタービレ巴里編』から約1年ぶり、いよいよ完結編となる今回の『フィナーレ』ですが、アフレコ収録が始まっての意気込みなどを教えてください

「思い起こすと、一番最初にオーディションを受けたときは、人気のある作品でしたから、自分の周りにこだわりを持っている人がたくさんいました。なので、『まあ、お前じゃないよ』といった風潮の中(笑)、運よくこの役を射止めることができたのですが、毎回、新しいシリーズが始まるたびに、ちゃんと千秋君を演じられるのであろうかと、ビクビクしながらやっています。ちょっと崩して演じてしまいがちなので、『二枚目に、二枚目』にと自分を戒めながら、毎回アフレコに臨んでいます。快感です」

川澄「第一期が始まった頃は、原作もドラマも人気があったので、プレッシャーもすごかったですね。特にのだめ役というのは、どのように演じるのが正解なのか、誰もわからないような役で。奇行や奇声の目立つキャラですが、それを愛らしく見せなければならないし、ただの変な子ではなく、才能の片鱗のようなものも見せなければならないというところで、はたして自分にそういった声を出せるのかと、演じる前はすごく不安でした。でも、関さんともお話をして、『私たちは受かったんだから、自信を持とうよ』という感じで始まり、第一期の途中からやっと、『大丈夫、こんなに自由にやってもいいんだ』と思えるようになりました。私の場合、関さんとは逆で、どれだけ崩せるか、というところがありまして、普通のアニメのヒロインの女の子だったらこういう声を出すとか、こういう表情をするといったセオリーのすべて逆をいき、人が予想もしないようなアクションをするようにということを一番に心がけていました。今回の第三期でも、やりすぎたら修正していただこうという気持ちで、かなり自由にやらせていただいているので、快感です(笑)」

今監督「最後に向けて、第三期の冒頭は話が難しいじゃないですか。でも原作を読むと、最後の最後は、のだめがよくやる『繋がりそうで繋がらなかった』というのが、本当に『繋がった』感じがしたので、その『繋がる』ことに向けて、とにかく転がっていく……、ことが快感です(笑)」

のだめ(野田恵) (cv. 川澄綾子)


――のだめと千秋を一年ぶりに演じることへの感想や、これまでとのちがいなどはありますか?

「『違う!』『忘れてしまったんじゃないか?』と怒られるのではないかと、毎回ビクビクしながらアフレコに臨んでおりまして(笑)、本番が終わるまではいつもドキドキしているのですが、とりあえず1stシーズンのような、『ちょっと崩しすぎ』みたいな失態はしないように演じています。その『崩し過ぎない』というサジ加減も、なんとなく自分なりにわかってきたのではないかと思えて、ホッとしています」

川澄「第一期、第二期では、『こういう風な感じで作ればいいんじゃない?』といったことを監督やいろいろな方に相談しながら、ひとつひとつ"のだめ"というキャラクターを作り上げていったんですよ。のだめはころころとキャラが変わるのですが、その中で、ブリッコしているような感じの『のだめ"妻"バージョン』というのがありまして、それも最初はどうしようかと悩んだのですが、第三期では、『そこは"妻"で』と言われるだけで通じるようになりました。それは、これまでに積み重ねてきたものがあったからだと思いますし、そういったものが一年経ってもちゃんと自分の中に残っていたことが、とてもうれしかったです」

――今回シリーズ構成に中島かずきさんが加わったことで、何か変化した点はありますか?

今監督「ライターさんが増えました(笑)。原作を大事にするというところは第一期から通じていることなのですが、中島さんが拾うところは、中島さんが面白いと思ったところだと思うので、それをフィルムにうまく出せるかどうか、これからが勝負といった感じです」

千秋真一 (cv. 関智一)


――それでは最後に、『のだめカンタービレ フィナーレ』を楽しみにしているファンの方へのメッセージをお願いします

「第三期の情報は少し前から出ていたので、応援してくださる皆さんは楽しみに待ってくださっていたと思います。最終回に向けて、素敵なラストシーンを演じられるように頑張りますので、テレビの前で期待して待っていてください」

川澄「すごくギャグも多いお話ですが、太い芯として"音楽"があり、才能のある二人が出会って、ひとつのものに向き合っていくというのは、一緒にいられるのかどうかを不安に思えるぐらい大変なことだと思います。原作もフィナーレを迎えましたが、実は私は単行本で読むようにしているので、まだ結末を知らずに演じているんですよ。なので、どのように二人が終わっていくのか、絶対に音楽はやめられないと思うのですごく不安もあるのですが、このポスターのようないいラストを迎えられたらいいなと思っておりますので、皆さんも最後まで見逃さずに観てください」

今監督「すごく原作がやさしい終わり方で、私も"のだめ"に恋をしてしまうようなキュンとした感じだったんですよ。なので、そういったところをフィルムに出せたらいいなと思っています。よろしくお願いします」

――ありがとうございました



TVアニメ『のだめカンタービレ フィナーレ』は、2010年1月14日(木)より毎週木曜日24時45分、フジテレビ"ノイタミナ"ほかにて放送予定。

■TVアニメ『のだめカンタービレ フィナーレ』おもなスタッフ
原作 / 二ノ宮知子(「Kiss」連載中/講談社刊)◆監督 / 今千秋◆シリーズ構成 / 中島かずき◆脚本 / 横谷昌宏、大野木寛、吉田玲子、丸尾みほ◆キャラクターデザイン / 島村秀一◆オープニング・テーマ / さかいゆう「まなざし☆デイドリ-ム」◆アニメ-ション制作 / J.C.STAFF◆製作 / のだめカンタービレ フィナーレ製作委員会◆放送局 / フジテレビ、関西テレビ、東海テレビ、BSフジ ほか

■TVアニメ『のだめカンタービレ フィナーレ』おもなキャスト
野田恵 / 川澄綾子◆千秋真一 / 関智一◆黒木泰則 / 松風雅也◆ソン・ルイ / 大原さやか◆ターニャ / 伊藤静◆フランク / 浅沼晋太郎◆ユンロン / 日野聡◆ジャン / 森川智之◆シャルル・オクレール / 清川元夢
(C)二ノ宮知子・講談社/のだめカンタービレ3 製作委員会
原画 / 島村秀一
仕上げ・背景 / J.C.STAFF