第22回東京国際映画祭の特別招待作品『笑う警官』が23日、東京・六本木で上映され、主演の大森南朋、松雪泰子、宮迫博之、忍成修吾らキャスト陣、監督の角川春樹、原作者の佐々木譲が出席した。

上段左から大友康平、野村祐人、忍成修吾、伊藤明賢、下段左から角川春樹、松雪泰子、大森南朋、宮迫博之、佐々木譲

シリーズ累計販売部数100万部を超える佐々木譲の小説『道警シリーズ』。『笑う警官』はその第一作目として最も人気を博している同名小説を、角川春樹が12年振りにメガホンを取って映画化した意欲作だ。実際に起きた北海道警察による組織ぐるみの汚職事件を背景に、刑事たちの姿を描きながら現代社会の構図を浮き彫りにしていく。舞台は北海道札幌市。市内で女性の変死体が見つかった。容疑者となった元交際相手の津久井巡査部長(宮迫博之)に、道警は射殺命令を下す。津久井と同じ任務に当たったことのある佐伯(大森南朋)は、道警本部を敵に回してまでも、事件の真相を探るのだった……。

主演の大森は「子供の時から角川映画を見て育った世代なので、この映画に参加できて幸せに思っています。非常に興奮できる大人の人間ドラマになっていますよ」とアピール。そんな大森について松雪は「セクシーですね。とっても色っぽい方」と印象を語りながら「今回は女優さんが少なかったですが、同世代の俳優さんたちが多くいらっしゃいました。私は男性女性気にしないところがあり、割りと馴染んでリラックスしてましたよ」と撮影エピソードを披露した。

「撮影現場の近くにファミレスがありまして、あの角川春樹がファミレスで昼飯を食べていました(笑)。その姿を見て微笑ましい気持ちになりました」と大森

佐伯と同じ大通署に勤務する小島巡査部長役の松雪は「大変上品でスタイリッシュなサスペンスドラマです。じっくりとご覧になって下さい」とPR

「お笑い芸人なのに、この映画では一つも笑っていません(笑)。凄くシリアスな役柄ですよ」と会場の笑いを誘った宮迫は、変死体で見つかった女性の元交際相手、津久井巡査部長を演じる

北海道警の大通署に勤務し、佐伯の後輩にあたる新宮巡査役の忍成は「日々緊張した現場でした。怒られることもありましたが、とても勉強になって楽しかったです」

「現場は凄く緊張感があり、スタッフも含めみんな凄い集中力の中、深いところまで突っ込んでやっていった気がします」と語る野村は、大通署に勤務する佐伯の同僚・町田役

佐伯と同僚の岩井巡査役を演じた伊藤明賢。「角川監督は毎日戦闘服のようなつなぎで毎日いらっしゃていて、物凄い緊張感だったなと覚えています」

「(バーの)マスター役のミッキー・ロークです(笑)。僕の一番最後の台詞は『定食は何人前ですか?』。武道館よりも緊張しました」と語り会場を沸かせた大友

「あまり派手さのない北海道の話を書きましたが、原作者として、こんなにオシャレで深い映画になり悔しく思います」と語った原作者の佐々木譲

「実際に起きた事件を映画にしています。事実の重みをいかに洒落て撮るかということを考えて撮りました」と監督の角川春樹

『笑う警官』は11月14日より全国ロードショー。