【自然】信号が一つもない島

北マリアナ諸島の南端に位置するロタ島は、人口3,500人ほどの小さな島で、面積は約125キロ平方メートルで、伊豆大島とほぼ同じ。島を車で一周しても2時間程度しかかからない。グアムやサイパンなど観光開発が進んだ島とは異なり、ロタ島には、ホテルは数軒しかない。免税店もネオンのきらめく繁華街もない。大部分が未開の地となっており、島には奇跡のような自然が残る。

そんなロタ島に到着したら、まずは島内を全周する観光ツアーに参加しよう。島には信号が一つもなく、道端にヤシの木の茂る一本道を車で走るのは気持ちがいい。ただし、島の幹線道路は、半分以上が舗装されていないので、石だらけのゴツゴツの道に体を揺さぶられることも。時に、けもの道のような草の覆い茂る道を通ることになるのだが、その先に現われる絶景を目にすると、移動の苦労など吹き飛んでしまう。

数か月に一度来航するタンカー。島で使われる原油を運ぶ

島のあちこちにやしの木やハイビスカスの花が見られる

最初に訪れたいのは、島の東部の絶壁にある「ザガガガ・バードサンクチュアリ」。その数4,000匹ともいわれる野生の鳥が住む森を、崖の上から覗き込むことができる。この森は連邦政府による自然保護区となっており、人の手の入らない原生林がそのまま残されている。早朝に訪れれば、無数の鳥が舞っているという。

(上)ザガガガ・バードサンクチュアリ。双眼鏡があれば、森の中にある無数の鳥の巣を見ることができる(右)断崖絶壁のアス・マモス・クリフ