2作品のオリジナルビデオから始まり、世界で一番有名で怖いJホラーとなった『呪怨』シリーズ。サム・ライミ製作のハリウッド版も大ヒットしたこのシリーズが、誕生10年となる2009年、装いも新たに2本の新作として復活。その1本である『呪怨 黒い少女』に出演した女優・中村ゆりに話をきいた。
――歴史ある「呪怨」シリーズの最新作である『呪怨 黒い少女』で、中村さんはホラー映画初出演を果たしましたね。
中村ゆり(以下、中村) : 「はい。まったく経験ない役だったので、最初は戸惑いました」
――霊媒体質で、呪いを拡大させていく幽霊に立ち向かう女性という重要な役でしたね。
中村 : 「私自身はまったく霊感はないのですが、作品の軸となっているのが、私の演じた真理子のお姉さんの親子関係で、その人間関係もしっかり描かれている作品だったので、やりがいがありました。この作品は、ホラーなのでもちろん怖い映画なのですが、人間関係の感情面などはさぐり易い(演じやすい)という印象がありました」
――お姉さん親子のために除霊に挑むわけですが……。『エクソシスト』というか、とにかく凄い迫力でしたね(※本当に凄いです)。
中村 : 「さすがに除霊のシーンは手探りでした(笑)」
――あの除霊シーンで唱えるマントラのようなものや、手のアクションなんかは、すべて安里監督の指示通りなんですか?
中村 : 「そうですね」
――『呪怨』に登場する女性は、怖がって幽霊に殺されてしまう人ばかりだったのですが、幽霊の存在を認識して、それに立ち向かうという複雑な役でしたね。演じていてどうでしたか?
中村 : 「ホラーは観客に怖がる姿を見せないといけない部分もあるので、普通の女性の役だと、逆に演じるのが難しかったかもしれないですね。本当に幽霊を見たら、現実には逃げるだけだと思うのですが、映画ではそうはいかないので。私の演じる真理子は、そういうものをずっと見てきて対処してきたという設定なので、逆に演技が見えたといえるかもしれないです。幽霊に対するスタンスがちゃんと見えた役というか……」……続きを読む
『呪怨 黒い少女』
芙季絵という入院患者を担当する看護師の裕子(加護亜依)の周囲では、奇妙な事が起こり始めていた。芙季絵の体内に存在する何かが周囲を呪っていたのだ。芙季絵の母・季和子は霊感を持つ妹の真理子(中村ゆり)に相談する。それが更なる呪いの連鎖を生み出すとは知らずに、真理子は芙季絵の除霊を行うのだった。
監督・脚本/安里麻里、出演/加護亜依、瀬戸康史、中村ゆりほか