――出演された作品を観てどうでしたか?

中村 : 「怖いという意味では十分楽しめました。私、Jホラーの魅力は心情的な怖さがあると思うんですよ。この作品でも、生まれて来れなかった子供の恨み、呪いがしっかりと描かれていて深みがあったと思いますし」

――安里監督はホラー映画ばかり手掛けている若手女流監督ですが、お仕事してみていかがでしたか。

中村 : 「監督は、ホラーが本当に好きなんだと思いました(笑)。映像のプランをちゃんと持っている監督なので、安心して任せることが出来ました」

――撮影中に印象的なエピソードなどありますか?

中村 : 「安里監督に『今の怖かったです!』とか、普段の演技とまったく違うベクトルでOKを貰うのが、面白かったです(笑)。いつも、他の監督さんならなら『リアルな演技で良かったよ!』とかなのですが、この映画では『中村さん、今の吹き飛ばされかた最高でした』とか(笑)。こちらも、違う部分で喜びを感じてましたね」

――『パッチギ!』の在日コリアン、『ララピポ』のAV女優まで堕ちていくデパガと、中村さんは難しい役が多いという印象なんですが、ご自分ではどう感じていますか?

中村 : 「"難しい役"と言われると嬉しいです(笑)。ただ、これまで演じた役はどこかに居る子という感じだったのですが、今回の『呪怨』ばかりは、そうそういない(笑)。そういう役を探って演じていくのは楽しいです」

(C)2009東映ビデオ・CELL

――『呪怨』シリーズの特徴として、お話の時系列がバラバラで、キャラクターの詳細は深く描かれないという傾向があると思うのですが、真理子には、細かいキャラクター設定はあったのですか?

中村 : 「監督によると、幼い頃から霊感は強かったみたいです。姉とも、一時期は疎遠になっていたようです。それが、今回の事件で繋がる……。そこの背景も意識して演じました」

――霊媒としては、自宅にお札を貼る場面とか、お風呂場で身体を清める場面とか、アクションというか、動きがビシバシ決まってましたよね。

中村 : 「ははは。そうですか。ああいう場面はけっこう苦手だったんですが、前例がないので……」

――『呪怨』は海外でも高い評価を得ています。今回の『呪怨 黒い少女』が海外で注目されたら、中村さんの除霊が日本のエクソシストのスタンダードとして世界で認識されるかもしれないですね。

中村 : 「そんな~(笑)。そうなったら、嬉しいですけど」……続きを読む