不況で出張の回数が減った、管理職なのにビジネスクラスの利用が禁止……なんて会社も多い?

観光旅行だけでなく、昨今の不況のため経費が削減され海外出張でもエコノミークラス指定に、しかも格安チケットでしか乗れないビジネスパーソンが増えている。そこで、今回から2回にわけて、エコノミークラスの格安チケットや割引航空券のお得な利用法を探ってみよう。

航空券の価値は座席指定ができるかで決まる!?

いま、筆者は機内にいる。エコノミークラスなのだが、なかなか快適である。理由は、好きな通路側で、しかも壁の前の足元が広い席に座っているからだ。ただし、偶然この席になったのではなく、事前にキープしておいたのである。そう聞くと、読者の中には「事前に座席を指定できるなんて、値段の超高いノーマル運賃で乗ってるの?」と思う方もいるかも知れないが、そんなことはない。格安航空券、もしくはそれと同じくらい安い正規割引航空券でも事前(当日の空港ではなく、航空券を購入後)に座席を指定できる航空会社に乗っているからだ。しかも、オンライン上で座席を何度でも変更できるので、予約時点ではほぼ満席で好きではない窓側の席しか空いていなかったのだが、マメにオンラインで予約状況をチェックしていると出発日が近づくにつれて空席が出て、通路側に空きがあったので変更。さらに、後日チェックすると、この席が空いたので迷わずキープしたというわけだ。

たとえ同じエコノミークラスの、同じ格安航空券でも、好きな座席を指定できるかどうかで、そのバリューはずいぶん違ったものになる。実は、デルタ航空やアメリカン航空といったアメリカ系の航空会社では格安航空券でも事前に座席を指定できるところが多い(一部ヨーロッパ系やアメリカ系でも可能)。乗務員の親切な接客態度や食事へのこだわりから、ヨーロッパやアジア、あるいは日系の航空会社を選ぶ人も多いが、旅慣れるほど機内で快適に過ごすための最重要ポイントが「座席の快適さ」になってくる。乗務員が美人(あるいはイケメン)で親切で、食事がおいしくても、長距離フライトで真ん中の席になってしまったら元も子もないと感じるようになるはずだ。

格安航空券を旅行会社で買う場合、搭乗券の受け渡しが出発当日と決まっていて、物理的に事前の座席指定が不可能なケースも多い。それでは、好みの席を確保できるかどうかは全くの未知数だ。おまけに搭乗手続き締め切り間近に空港カウンターへ訪れたなら、真ん中の席だけ残された状態から選ばなければならない、なんていう事態も起きてしまう。【次ページ