国土交通省は9日から「駅構内通路を利用した『開かずの踏切』対策に関する実証実験」を始める。踏切を渡りたい歩行者が、開かずの踏切に近い駅の構内を迂回路として利用できる仕組みを作るという。実験の対象は関東と関西で1駅ずつ選定された。西武鉄道新宿線の都立家政駅では17:00~19:00、京阪電鉄京阪本線の枚方公園駅では7:00~9:00に実施する。実験は平日のみ、終了は両駅共に3月13日の予定。

実験のイメージ図(国土交通省提供)

同実験は、踏切利用者に対して駅を迂回する場合「改札口の手前で通行券を配布して反対側の改札口で回収する方法」と「事前に実験用ICカードを配布し、改札口に設置した専用のカードリーダーにタッチする」のふたつの方法で入出場を実施する。駅構内を迂回する歩行者だけではなく、鉄道利用者にもアンケートを実施する。歩行者交通量調査と合わせて、駅構内の混雑度の影響も調べるという。

同実験は昨年の2月にも都立家政駅の朝時間帯で行われた。今回は枚方公園駅を追加し、都立家政駅は夕刻へ変更した。昨年の実験結果では駅構内を迂回する歩行者、鉄道利用者のどちらからも概ね好評だったとのこと。今年の実験の目的は「本取り組みの有効性や継続的に実施した場合の課題等についての把握を行うため」(同省)とのことだ。