ナビタイムジャパン、KDDI、KDDI研究所の3社は17日、国土交通省近畿地方整備局と神戸市保険福祉局が実施する「神戸自律移動支援プロジェクト」の2008年度実証実験に参加すると発表した。

神戸自律移動支援プロジェクトは、ユニバーサル社会の実現に向けて2004年3月に発足。身体的状況、年齢、言語などを問わず、”いつでも、どこでも、だれでも”移動に関する情報を入手できる環境の構築を目指し、自律移動支援システムの実証実験などを検討している。

今回、3社が同プロジェクトの実証実験に参加。KDDIとナビタイムジャパンが提供している経路検索サービス「EZナビウォーク」の技術を利用して、屋内外でのバリアフリーナビゲーションサービスの検証を行う。3社は、「健常者」「車椅子」「ベビーカー」のニーズにあわせ、段差/坂道/道幅を考慮したルート検索とGPS衛星波の届かない地下や屋内でも利用できる音声ナビゲーションを開発し、提供する。

サービスイメージ

ルート検索では、実験エリア内に健常者/車椅子/ベビーカー向けの歩行者用ルートネットワークを構築。それぞれの条件に適したルート検索が可能となる。条件は、健常者は歩行可能な全てのルート。車椅子は道幅1.5m未満・2cm以上の段差・勾配を避けるルート、道幅1.5m未満・5cm以上の段差を避けるルートの2つ。ベビーカーは、道幅1m未満、段数5段以上の階段を避けるルートとなる。

屋内での現在位置特定には、GPS信号と類似した特徴を持ったIMES信号を利用する。同実験用にGPS衛星波とIMES信号の両方を受信可能な携帯電話を用意し、それらに対応したトータルナビアプリケーションを開発。これらを利用することで、GPS衛星波の届かない地下や屋内でも現在位置の特定が可能となる。地上では衛星から得たGPS情報を基に、地下・屋内ではIMES信号を基にシームレスな音声ナビゲーションを提供する。

実験対象エリアは、兵庫県神戸市の三宮周辺地区、神戸空港を中心とした2地点約2km四方。実施期間は、2009年2月6日から同26日まで。

なお同実験では、IMES技術に対応した携帯端末のモニターを募集する。参加希望者は、実証実験およびモニター募集サイトから応募する。モニターは、屋内外でのシームレスな音声ナビゲーションとバリアフリーナビゲーションサービスを体験できる。

3社は今後、実証実験を通じて、将来的に利用が想定されるさまざまな環境や利用者の特性を考慮した歩行者ナビの課題を検証。積極的にトータルナビゲーションサービス「NAVITIME」「EZナビウォーク」の充実を図るとしている。