日本政府観光局(JNTO)はこのほど、2008年の訪日外国人旅行者数と出国日本人旅行者数(いずれも推計値)を発表した。

訪日外国人旅行者数は前年比0.1%増の835万2,000人。上半期はビジット・ジャパン・キャンペーンなどのPRが奏功したのか前年同期比10%増と高い伸びを示したが、世界金融危機による景気後退と円高の波を受けて下半期には急激に失速し、同8.8%の減少となった。数字の上では5年連続の増加で過去最高を記録したものの、先行きは思わしくない。

国・地域別では韓国が238万3,000人でトップだが、円高・ウォン安の影響で下半期は激減した。台湾・中国は堅調で、香港は27.3%増、タイは14.6%増と大幅に伸ばした。

出国日本人旅行者数は前年比7.6%減の1,598万7,000人にとどまった。景気後退による消費マインドの悪化や原油高騰による燃油サーチャージの値上げなどが影響したと見られる。一方で10月以降は円高の急進により海外旅行への割安感が働き、ショッピング目的での韓国旅行者が急増しているとのこと。そのほか、世界遺産とカジノで脚光を浴びたマカオや航空座席供給量が回復したサイパン、長期滞在や修学旅行の需要が伸びたマレーシアなどが年間を通じて増加しているという。