内閣府がこのほど行った調査で、「観光庁を知らない」と答えた人が64.1%にものぼることが明らかになった。

観光庁は、国土交通省の外局として2008年10月の設置された観光行政を担当する政府機関。11月27日付けで内閣府が公表した「観光立国と観光庁に関する特別世論調査」では、2008年10月16~26日の間、全国の20歳以上の市民3,000人を対象に観光庁の認知度を訊ねた。その結果、「名前も内容も知っている」と答えた人は10.8%に留まり、64.1%が「名前も内容も知らない」と回答した。

同調査では、このほか日本を訪れる外国人旅行者に対する実感を質問。80.0%の回答者が「外国人旅行者が増えた」と感じていることがわかった。しかし、外国人旅行者の増加について、「治安の面から不安であり、何らかの対策が必要である」とする人が51.8%にのぼり、「国際交流が進み相互理解が深まる」(50.7%)、「街がにぎやかになり、地域経済の活性化につながる」(40.8%)といった肯定的な意見を上回る結果となった。

一方、外国人旅行者を増加させるために特に重要だと思う施策としてもっとも支持を集めたのは、「海外における日本の魅力のさらなるPR」(51.3%)。以下、「空港や駅、観光地、宿泊施設での外国語等による案内・応接の充実」(47.0%)、「外国人にも対応した宿泊施設の整備」(33.9%)、「外国人にとって魅力的な観光地の形成」(32.0%)などの回答が続いた。

また、国内旅行に行きたいと思うようになるための条件について、59.6%が「宿泊料や入場料などが安いこと」と回答。次いで約半数の意見となった「移動手段が安いこと」(47.7%)を含めて、料金や費用の安さを挙げる人が多いことがわかった。そのほか、「魅力的な宿泊施設(温泉等を含む)があること」(40.4%)、「魅力的な観光地(食事、土産等を含む)があること」(37.1%)、「家族と一緒に休みが取れること」(39.7%)、「連続して休めること」(38.4%)といった回答も目立ち、旅行代金の安さに加え、休日や旅行先そのものの魅力アップも旅行意欲を喚起する重要な要素となっていることが示された。