賞金1,000万円をかけた漫才日本一決定戦『M-1グランプリ2008』準決勝・大阪大会が6日、なんばグランド花月で開催された。

今や年末の風物詩となった『M-1グランプリ』。8回目を迎える今年は、8月30日の東京1回戦から予選がスタートし、過去最多のエントリー数となる4489組が参戦した。この激戦の中で3回戦を勝ち抜き、準決勝に駒を進めたセミファイナリストは66組。大阪、東京と2回に分けて行われる準決勝の初戦・大阪大会には、昨年のファイナリストである笑い飯、千鳥、ダイアン、過去5回決勝に進出している麒麟をはじめ、めきめきと頭角を現しているモンスターエンジン、ギャロップら関西を中心に活躍する若手、予選でプロを下した恐るべきアマチュア、スペースゴリラ、ぷくぷく隊ら26組が出場した。

会場のなんばグランド花月は、立ち見も出るほどの大入り満員。ちなみに前売りチケットは、発売されてわずか30分で売り切れたという。そんな『M-1』への注目度の高さをうかがわせる熱気に満ちた会場で、気迫溢れる漫才を見せた出場者の中から、おもなコンビをレポートする。

笑い飯

2002年の第2回大会から6年連続で決勝に出場しているM-1ファイナリスト常連。ボケの応酬のみならず、冒頭で哲夫に振られたボケを後の意外なところで西田がねじ込むなど、練られた構成で"Wボケ"の進化形を見せ、会場を沸かせた。

ダイアン

昨年、初の決勝進出を果たして注目を浴びたダイアンは、誰もが知っているはずの"サンタクロース"を知らないと言い出した西澤が、それがどんなものかを津田に執拗に聞くというネタを披露。西澤の飄々としたボケに爆笑が起こった。

麒麟

昨年は惜しくも準決勝で敗退し、涙を飲んだ麒麟。この日は、田村の発言をからかう川島が、話をおかしな方向にエスカレートさせ、子どものようなバカバカしいケンカに発展させていく漫才で、リベンジにかける意気込みを見せた。

千鳥

破天荒なスタイルと岡山弁で独自の世界を築き、過去4回決勝の舞台に立っている千鳥。ノブ扮する子どもに父親役の大悟が昔話を読み聞かせるネタで、原型をどどめないほど改ざんされていく「浦島太郎」に客席は爆笑の渦に。

ジャルジャル

関西のコント師のホープ・ジャルジャルは、コント仕立ての漫才で勝負。会社をサボる部下に扮した後藤が、上司の福徳をあり得ない言い訳で翻弄していくシュールな展開で、独特の世界観を見せつけた。

銀シャリ

往年の漫才コンビを思わせる"揃いのジャケット"スタイルで、オーソドックスなしゃべくり漫才を聞かせる銀シャリ。のんびりとおかしなことわざを繰り出す鰻に、ひねりの利いたツッコミを浴びせる橋本のコンビネーションは抜群。

アジアン

2005年第5回大会の決勝に出場し、"初の女性ファイナリストコンビ"として話題を呼んだコンビ。大阪のおばちゃん口調でぶっ飛んだ発想のシュールなボケをたたみ掛ける馬場園のマシンガントークが爆笑を誘った。

ギャロップ

今年、関西の新人賞レースで二冠を達成しているギャロップは、若手ながら安定感のあるネタ運びに定評のある実力派。準決勝では、今年30歳になったばかりとは思えない風貌の林が"鮫に襲われたときの行動"でボケまくった。

モンスターエンジン

"暇をもてあました神々の遊び"のコントで人気上昇中のモンスターエンジンは、西森のキレのある動きを生かした漫才が持ち味。この日も、おかしなエイリアンを楽しげに熱演し、客席から大きな笑いが起こっていた。

なお、準決勝の第2戦・東京大会は本日7日、東京・メルパルクホールで開催され、セミファイナリスト40組が出場。ABC・テレビ朝日系で生放送される『M-1グランプリ2008』(12月21日 18:30~)の決勝進出者8組は、8日に行われる記者会見で発表され、その場で行われる公開抽選で本番でのネタ順も決まる。