ハードスケジュールの中、緊急来日したベン・スティラー

ベン・スティラー、ジャック・ブラック、ロバート・ダウニーJr.というハリウッドの超個性派俳優3人が共演し、全米で大ヒットしたコメディ映画『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』。日本公開を前にベン・スティラーが緊急来日し、応援ゲストとして招かれたルー大柴とともに来日記者会見をおこなった。

本作では、出演者全員が「やりすぎ!」と言われるほど濃い演技をしているのも特徴。これにちなみ、日本から"やりすぎ""濃い"キャラの代表として登場したのがルー大柴。登壇するなり、ベンに向けて、「アイム・ベリーフェイマス・ジャパニーズ・コメディアン・アンド・アクター・アンド・タレント(私は有名な日本のコメディアン、俳優、タレントです)。ドゥーユーノウミー?」。するとベンは「I do not」。このやり取りに会場は爆笑。ルーも「オーマイガッド……」とコメントするのが精一杯だった。

この日も日本語に英単語を織り交ぜた「ルー語」をさく裂させたルーだが、それでもベンとコミュニケーションが取れてしまうあたりはさすが!

ルーはベンへのメッセージとして、彼が監督・製作・脚本・原案・主演と1人5役の活躍を見せたことにちなみ、「一石ファイブバード」と書かれた掛け軸も披露。ベンも非常に気に入った様子で、「バスルームにでも飾っておこうかな」とジョークを言い、「ノーノーノーノー! バスルーム、ノー・グッド!」とルーを慌てさせていた。

「一石二鳥」ならぬ「一石五鳥」、と言いたいのだろうが、それにしても意味が違う

その後のインタビューでは、本作が構想20年を経て完成された作品であることが明らかに。「当時、自分も含め俳優仲間がたくさん戦争映画に出て、非常にシリアスに自分の(戦争映画出演の)経験を語る人や、『自分の人生が変わった』とまで言う人もいたんです。でも本当に戦争を経験していないのにそう語るのが滑稽に思えて。そこからアイデアが生まれました。完成まで時間がかかったものの、いいアイデアだと思っていたし、いまはやり遂げたという満足感があります」と語った。

体張りまくりのベン
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また、報道陣からは、「この映画ではトム・クルーズがカメオ出演以上の活躍を見せているが、どうやって彼を口説き落としたのか?」との質問も。ベンは開口一番、「マネー!(笑)」と言って会場を笑わせる。「……というのは冗談だけど。トムは脚本を非常に気に入ってくれたんですよ。そしてトムのアイデアで(彼が演じる)あの役を作り、脚本に入れ込んでいったんです。『(劇中で)いろんな俳優たちをからかっているけど、メジャースタジオのお偉方をからかっている部分がない』と彼が言うので、確かにそうだなと思って」。本作ではトム・クルーズのほか、多くの大物俳優がカメオ出演している点も注目されている。

最後にベンは、「この映画はアメリカでは好成績を収めたけど、翻訳や文化の問題もあって、アメリカのコメディがすべての国で成功するとは限りません。だから今回、なるべくそのギャップを解消したいと思って、自分が橋渡し役になりたいと思って来ました。日本に来られたことを本当に嬉しく思っています」と挨拶。会場を後にした。

だが、これで記者会見も終わりかと思いきや、MCから突然、「本日のゲストはベン・スティラーさんだけではありません。本作で役作りのために黒人になりきってしまった演技派俳優、ロバート・ダウニーJr.さんも日本に来てくださったんです!」とアナウンスが……続きを読む