北陸鉄道(石川・金沢)はこのほど、2009年11月1日付で石川線の鶴来(つるぎ)~加賀一の宮間を廃止すると国土交通省に届け出た。乗客数が僅少であること、老朽化した設備を更新するための資金調達が困難であることが廃止の理由となっている。

国土交通省北陸信越運輸局は届け出を受けて、利害関係者からの意見聴取の受け付けを開始した。今後、届け出を公示した10月23日から10日以内に意見聴取の申請がなければ、届け出通りに廃止が許可される見込み。意見聴取の結果、公衆の利便を阻害しないと判断された場合、鉄道事業法の規定により廃止日が繰り上げられる可能性がある。

北陸鉄道路線図(国土交通省提供)。赤線で示された区間が廃止予定

北陸鉄道石川線は、石川県金沢市の野町駅と同県白山市の加賀一の宮駅を結ぶ15.9kmの路線。廃止届が出された区間はこのうち鶴来~加賀一の宮間の2.1km。加賀一の宮駅は白山比め(しらやまひめ)神社の最寄り駅であることから、同区間も大晦日から正月にかけては初詣客で混雑するという。しかし、それ以外の時期は乗客が少なく、通勤通学需要も少ないことから廃止が決まったとみられる。

なお、廃止日が2009年11月1日と決定した場合、列車の運行終了日は前日の2009年10月31日になるとのことだ。