JTBパブリッシングは30日、書籍『私鉄の廃線跡を歩く3 北陸・上越・近畿編』を発売した。本著は、同社の発行する「私鉄の廃線跡を歩く」シリーズの第3弾。このシリーズは、過去50年間に廃止されたすべての私鉄の廃線跡の現在の様子をレポートするというものだ。

『私鉄の廃線跡を歩く3 北陸・上越・近畿編』

第3作目となる本著では、北陸・上越・近畿各地域の廃止路線を廃止になった順に掲載している。現地を巡ったのは、鉄道ライターとして多くの本を著している寺田裕一氏。ごく最近の姿を掲載するため、ほとんどの場所は昨年1月以降に訪れて写真に収めた。現在の様子と営業当時の写真を対比させることで、読者が往時の光景を容易に想像できるようになっている。

各廃線跡の写真を見ていると、ほとんどの場所においては線路も残っていないことがわかる。かつて鉄道が忙しく往復していた光景とただの野原や道路でしかない今の光景が対照的で、世の中の無常を感じてしまいそうだ。明治に日本に導入された「鉄道」という交通機関がいかに繁栄し、時代の趨勢に伴って滅びていったかを教えてくれる良質の教科書と言えそうだ。