Booksベストセラー週間総合ランキング8月22日~8月28日では、『おそろし 三島屋変調百物語事始』(宮部みゆき)、『悩む力』(姜 尚中)の2タイトルがトップテンに再浮上したが、新刊のトップテン入りはなかった。

8月22日~8月28日のBooksベストセラー週間総合ランキング(日販調べ)

順位 書籍名(出版社) 著者
1位 O型自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
2位 A型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
3位 B型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
4位 上地雄輔物語(ワニブックス) 上地雄輔
5位 AB型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
6位 ハリー・ポッターと死の秘宝(静山社) J.K.ローリング/松岡佑子訳
7位 夢をかなえるゾウ(飛鳥新社) 水野敬也
8位 おそろし 三島屋変調百物語事始(角川書店発行/角川グループパブリッシング発売) 宮部みゆき
9位 悩む力(集英社) 姜 尚中
10位 ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説(2)(竹書房) 関 暁夫

各部門別に見ても動きが少なく、単行本フィクションおよび単行本ノンフィクション部門でもほぼ前週と同じランキングとなっている。

単行本フィクション部門9位に入っている『ひかりの剣』(海堂尊)は、著者の「チーム・バチスタシリーズ」と呼ばれる一連の医療をテーマにした作品の外伝的位置付け。後に医師として敏腕を振るう医師たちの学生時代が剣道の戦いを通して描かれる。シリーズのファンなら必読の一冊。

新書ノンフィクション部門からは5位にランク入りしている『ジャーナリズム崩壊』(上杉隆)に注目したい。本著で特に批判の的となっているのは記者クラブ制度。情報が黙っていて入ってくるという状況下にあって、個々の記者の中にジャーナリズムは育つのか―。日本では官邸の近くで働き、アメリカではニューヨーク・タイムズに勤務したフリージャーナリストである著者が、数々の実話やエピソードをもとに日本のメディアの内幕を暴く。

今週の注目

ユーモア話術の本(三笠書房/福田健/税別1,400円)

「日本人の悪いところは空気を読みすぎるところ」と誰かが言っているのを聞いた。和をもって尊しとなすという精神が身に付いている我々にとって、場の雰囲気に合わせなければならないとの意識はある意味強迫観念ともいえる。だが、それが高じると「何か言って変に思われたらどうしよう」との思いから結局人前で何を話したらよいかがわからなくなってしまう。そこで、ユーモア話術を身に付けようというのがこの本の趣旨だ。

著者は「話し方研究所」の会長。コミュニケーションに関する講演や講座を広く行っている。本著ではスピーチや普段の会話、男女間、そして会社においての様々な場面を想定し、それぞれにどんなユーモアを駆使するべきかを実践的に教える。

読み勧めていくうちに読者は、ユーモアとは単に面白いことが言える才能なのではなく、気配りであるということに気付かされる。場の雰囲気が険悪なとき、相手の話がつまらない時、そして自分がイライラしている時でさえもユーモアの心によって場を和ませ、相手をいい気持ちにさせることができると著者は説く。空気を読める人ではなく、自ら明るい空気を作れる人になりたいと思わせてくれる一冊。