Booksベストセラー週間総合ランキング8月1日~8月7日では、『O型自分の説明書』(Jamais Jamais)、『上地雄輔物語』(上地雄輔)、『いっちばん』(畠中 恵)および『おそろし 三島屋変調百物語事始』(宮部みゆき)の4タイトルが新登場でトップテン入りした。

8月1日~8月7日のBooksベストセラー週間総合ランキング(日販調べ)

順位 書籍名(出版社) 著者
1位 O型自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
2位 ハリー・ポッターと死の秘宝(静山社) J.K.ローリング/松岡佑子訳
3位 上地雄輔物語(ワニブックス) 上地雄輔
4位 AB型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
5位 A型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
6位 B型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
7位 いっちばん(新潮社) 畠中 恵
8位 夢をかなえるゾウ(飛鳥新社) 水野敬也
9位 ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説(2)(竹書房) 関 暁夫
10位 おそろし 三島屋変調百物語事始(角川書店発行/角川グループパブリッシング発売) 宮部みゆき

新登場1位の『O型自分の説明書』(Jamais Jamais)は、大人気の血液型シリーズの第4弾。明るく社交的で悩みなどなさそうに思われがちのO型人間の"扱い方"をユーモアたっぷりに描いている。「大声で店員さんを呼べる」「優しいので異性に勘違いされる」など、O型の人には思い当たるフシがありそう。

新登場2位を獲得した『上地雄輔物語』(上地雄輔)は、"おバカキャラ"でブレイクした著者によるフォトエッセイ。幼少時から今の自分に至るまでの出来事をはじめ自身の心情が素直につづられており、「おバカ」な本を期待していると良い意味で裏切られる。飾らないまっすぐな人柄が伝わってくるとして好評。

9位の『いっちばん』(畠中 恵)は、昨年テレビドラマ化もされた『しゃばけ』シリーズの第7弾。江戸時代を舞台に、病弱な若旦那とそれに使える妖(あやかし)たちが活躍して事件を解決する。人物描写がおもしろく、ふわりとした世界観に引き込まれる。

10位『おそろし 三島屋変調百物語事始』(宮部みゆき)は、ある事件によって心に傷を負った少女の物語。彼女を預かった袋物屋の主人は、彼女に「百物語」を聞かせることでその傷を癒そうとする。一風変わった設定だが、人々の話を聞くことで心がほぐされていく様が見事に描かれている。

今週の注目

新・裸の自衛隊 (宝島社/別冊宝島編集部/税別933円)

普通に暮らしている人にとって、自衛隊に接する機会は非常に少ない。いや、接する機会はあるといえばあるのかもしれない。自衛隊は地元の祭りに協力したり、音楽隊を派遣したり、駐屯地公開などを行ったりと地域に親しまれようと努めていることは確かだ。そして言うまでもなく、大規模災害時の救援などで命を支えられた方も少なくない。

だが、そのようにして我々が接するのは制服や迷彩服を着た「自衛官」でしかなく、自衛隊員個人との接点はほとんどないのが普通ではないだろうか。そんな意外に遠い存在である自衛官にスポットを当てたのがこの本だ。兵器を詳細に解説したミリタリー本は数多いが、実際に隊員が隊内でどんな生活を送りどんな訓練をしているのかに着目した点でユニークな内容になっている。

特に本書の中で注目したいのは、日米共同訓練のレポート。「米軍よりも自衛隊のほうが行動が素早く、兵器の命中精度も高い」という話はたびたび耳にしていたが、このレポートによるとそれはある意味当然であり、ある意味間違っているのだという。

米軍はあくまでも実戦に備えて現実に近い場面を想定しているため、当然行動は遅く兵器の命中精度も低い。一方自衛隊は訓練をミスなく成績良く終えることが目的であるため、戦場で想定される不利な状況や最悪の事態を想定しておらず、万全の態勢で訓練に臨んでいるのだという。「戦争」を最終目標に設定することができない軍事組織である自衛隊ならでは矛盾がそこには生じているが、恐らく自衛隊自身はそれに気付いていないのではないかというのが本書の指摘だ。全体的に自衛隊の持つ優れた点と抱える問題点をバランスよくピックアップしており、ミリタリーマニアや政治的な問題に関心のない人でも自衛隊の内情がよくわかる一冊に仕上がっている。