Booksベストセラー週間総合ランキング7月18日~7月24日では、『かわいいこねこをもらってください』(なりゆきわかこ/垂石眞子)と『となりの801ちゃん(3)』(小島アジコ)が新登場でトップテン入りした。

7月18日~7月24日のBooksベストセラー週間総合ランキング(日販調べ)

順位 書籍名(出版社) 著者
1位 AB型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
2位 B型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
3位 A型 自分の説明書(文芸社) Jamais Jamais
4位 夢をかなえるゾウ(飛鳥新社) 水野敬也
5位 ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説(2)(竹書房) 関 暁夫
6位 かわいいこねこをもらってください(ポプラ社) なりゆきわかこ/垂石眞子
7位 となりの801ちゃん(3)(宙出版) 小島アジコ
8位 銀魂 3年Z組銀八先生(1~3)(集英社) 空知英秋/大崎知仁
9位 かいけつゾロリ カレーVS.ちょうのうりょく(ポプラ社) 原ゆたか
10位 脳を活かす勉強法(PHP研究所) 茂木健一郎

『かわいいこねこをもらってください』(なりゆきわかこ/垂石眞子)は、今年度の青少年読書感想文全国コンクールで小学校低学年の部の課題図書になっている作品。小さな女の子「ちいちゃん」が子猫を拾うものの家がアパートのために飼うことができず、飼ってくれる人を懸命に探すお話。小さな命を守ろうとするちいちゃんと子猫のふれあいが描かれる。読書感想文の課題図書にありがちな教訓くささが感じられず、それでいてしっかりと考えさせられる一冊。

『となりの801ちゃん(3)』(小島アジコ)は、ブログ発の漫画本。いわゆる"腐女子"を彼女に持つ作者が彼女の不思議かつ不可解な生態をありのままに描く。第3巻となる今作では作者と彼女の結婚が発表された。

単行本フィクション部門では、『となりのウチナーンチュ』(早見裕司)が新登場で2位にランク入りしている。2人の女性が経験する不思議なソフトホラーの形を借りて、美化されすぎていない現実の沖縄の姿を描いた小説だ。

今週の注目

悪夢のIT業界ジョーク集 (中経出版/世界ITジョーク研究会/税別533円)

ジョークは時代と共に変わる。冷戦時代には旧ソ連や東欧を題材にした政治的ジョークが幾つも語られた。その多くは硬直化した体制を皮肉ったり笑い飛ばしたりするものだったが、その「体制」がなくなることで政治的ジョークもその役目を終え、次第に廃れていった。しかし、人々の間には「反体制的」な笑いで憂さを晴らしたいという願望がいつの時代にもあるのかもしれない。そこで目を付けられたのが「IT」という体制である。

「コンピューターは使えて当然」とされる現代、人間の道具であるはずのコンピューターはなぜか人間を支配する「体制」になっている。そんな体制に笑いで反撃しようというのがこの一冊。

コンピューターの融通の利かなさを皮肉ったり、「マイクロソフト社がもし~業界だったら」というシリーズでその対応ぶりを笑ったりと、コンピューターに慣れている人ほど笑いのツボにはまりそうなジョークが満載だ。一方でプログラマーやエンジニアなどのIT業界人の"変人"ぶりを誇張して描くジョークも多数あり、思い当たる節があってドキリとさせられるかもしれない。中には、家電量販店に掲げられている「目玉」「特選」「話題の」といった売り文句の「本当の意味」を解説してくれるジョークも。次に家電量販店に出かけた時には素直な目で商品を見られなくなっているかもしれないが、あくまでもジョークなのであしからず。