東京・新宿において18日、4月より日本テレビ系にてスタートするTVアニメ『秘密(トップシークレット)~The Revelation』の記者会見が行われた。この作品は清水玲子原作の『秘密-THE TOP SECRET-』(白泉社「メロディ」連載中)を基とし、マッドハウスの手によってアニメーション化。監督には『ロケットガール』の青山弘、シリーズ構成に映画『ローレライ』の鈴木智、音楽に『DEATH NOTE』の平野義久というスタッフが布陣している。

『秘密~The Revelation』

犯罪被害者の脳に残された「記憶」から生前の記憶映像を再現する「MRIスキャナー」の技術を駆使し、難事件解決に挑む科学警察研究所・法医第九研究室、通称「第九」。その室長・薪と新人・青木が中心となって凶悪事件を解明していく。

<第1話のあらすじ>
「近年急増する凶悪犯罪。その犯人検挙及び全容解明のため、科学警察研究所・法医第九研究室はMRI捜査を開始した。取り出された犠牲者の脳から見えてきた映像は被疑者だけでなく、本人のあらゆる記憶をさらけ出していた……」
科学警察研究所・法医第九研究室、通称「第九」。
死体の脳を取り出して被害者の記憶を覗くこの部署では、5人の少年の自殺事件のMRI捜査に追われていた。そこに「真実を見極めたい」と、青木という1人の新人が配属された。まっすぐで誠実な青木に対し、室長・薪警視正は「君は第九に向いていない」と言い放つ。その薪の姿は何か過去を思い起こしているかのようだったが……。
そんな折、発砲事件が起こりMRI捜査の依頼が舞い込んだ。しかし、摘出された脳が何者かに奪われ……。

脳を扱うストーリーなだけに、こんな描写も

人は誰でも心の中に秘密を持っている。しかし、秘密を知ることが最良なことなのだろうか……。秘密を心ならずも知らなければならない捜査員達の苦悩を描くサスペンス・アニメーションの本作は、4月8日(火)の深夜25時29分から日本テレビ系列(一部地域を除く)にて放送が開始される

今回の記者会見には、原作者の清水玲子、中谷敏夫プロデューサー、青山弘監督ならびにキャスト陣から関智一、浪川大輔、野中藍が出席した。コメントは以下のとおり。

左から、中谷敏夫プロデューサー、原作者の清水玲子、関智一、浪川大輔、野中藍、青山弘監督

中谷敏夫(日本テレビプロデューサー)
人間というのは脳を数%としか使っていません。でも、1度見たものは忘れてはいません。もしそれが映像化できたら……。20XX年にそのシステムが開発されて、犯罪捜査に使用するという設定でストーリーが進んでいきます。人間が秘密を持ったときに起きる葛藤や愛、勇気、希望を描きつつ大人にも堪えうる重厚なドラマを提供したいと考えております。たとえ事件の究明のためであっても人の秘密を暴露することの是非を、主人公を通して考えていければいいなと思っています。

清水玲子(原作者)
私はミステリー畑の人間ではないので、もともと人の死に対してトリックに重点を置かないんです。どちらかというと、人間の脳を通して人間ドラマを描きたかったので、アニメもそのような展開になることを祈っております。

関智一(薪剛役)
薪という人物は第九の主任です。そのキャリアと年齢のわりには幼い独特の風貌なんですけれど、タイトルにもあるように彼にも秘密があるようで、僕も1話からワクワクしながら演じています。ただ、あまり自分の感情を表に出さないので、彼の秘密も暴きながら親密になっていきたいな、と思っています。

薪剛は、第九研究室室長で警視正。28人連続殺人事件の犯人の脳を見た唯一の捜査官でもある。鋭利な思考と洞察力を持つが、その厳しさゆえに恐れられる一面も

浪川大輔(青木一行役)
青木というのは薪さんとは正反対で、感情がもろに表に出てしまうというキャラクターです。人の秘密を知ることはできない、そんな感覚で(第九に)入ってきて振り舞わされてしまいます。秘密を知ってしまっていいものかという悩みで葛藤したり、興奮したりする表現豊かな人間で、演じている自分にとっては非常に共感できますし、充実したアフレコとなっています。

青木一行は、真実を見極める部署につきたくて「第九」を志望、配属された新人。190cm近い長身で、まっすぐな性格

野中藍(天地奈々子役)
天地も第九のメンバーで精神科医なんですけれども、私はエリート集団の中で働く役というのは初めてなんです。私も脳を調べる際に青木くんと同じようにびっくりしたりもするんですが、今後、天地が精神科医として分析して活躍するシーンとかもあると思います。そのときまでに私も、第九のメンバーとしての天地をしっかり演じられるようにしたいです。

天地奈々子は、青木より数カ月前に「第九」に配属されたクールビューティで、専門は心理学。物事に対して一生懸命だが、よくこける

青山弘(監督)
MRI捜査での推理や犯罪のカラクリ、ギミックなども見せどころなのですが、見えてくる秘密の中にいろいろな愛の形を織り込んでいます。そこも見どころですし、愛といっても親子愛や友情愛、あやしい愛というのも出てきます。とてもすばらしいドラマを作っていこうと思っていますので、よろしくお願いします。

なお、会見の席上で「もし他人の秘密を知ることができるなら、知ってみたいですか?」との質問があったが、出席者全員が「知りたくないですね」との意見で一致。スタッフのチームワークも良好のようで、作品の完成度にも期待がもてる会見となった。

会見は終始、真面目な話の中に笑いアリ、といったなごやかなムードで行われた。写真は会見後のフォトセッションにて

(C)清水玲子/白泉社・VAP・マッドハウス・NTV・D.N.ドリームパートナーズ