漫才の日本一を決めるお笑いコンテスト『M-1グランプリ2007』の決勝進出者発表会見が10日、東京・六本木のテレビ朝日で行われた。見事、決勝戦への切符を手に入れたコンビは、笑い飯、POISON GIRL BAND、ザブングル、千鳥、トータルテンボス、キングコング、ハリセンボン、ダイアンの8組だ。7回目となる今回は、史上最高の4239組がエントリーし、9月1日から東京、大阪、名古屋、福岡、広島、仙台、札幌の各地で予選が約3カ月にわたって行われた。そして、12月8、9日には東京と大阪で準決勝が行われ、67組のうち8組が、12月23日に行われる決勝戦に進出し、いよいよ日本一が決まる。

審査委員長で会見の司会を務めた島田紳助と8組のコンビたち

会見では出場者発表とともに、ネタをやる順番を決める抽選会を行った。実はこれが進出者にとっては、緊張の一瞬。島田紳助は抽選前に「3、4番目が一番やりやすいけど、3、4番目で優勝したコンビはいない」とジンクスを披露、さらに進出者たちを緊張させる。抽選の結果、やりづらいと言われているトップバッターは笑い飯だった。以下、POISON GIRL BAND、ザブングル、千鳥、トータルテンボス、キングコング、ハリセンボン、ダイアンの順でネタが披露される。

決勝では敵同士とはいえ、会見は笑いが絶えなかった

笑い飯 (2002年―3位 2003年―2位 2004年―5位 2005年―2位 2006年―4位)

西田幸治(写真左):1974年5月28日生まれ。奈良県出身。哲夫:1974年12月25日生まれ。奈良県出身。吉本興業・大阪所属。ボケ&ツッコミというセオリーを無視し、互いにボケ合うという芸風が持ち味のコンビ。2002年の第2回大会で3位となり、注目を集める。以後、4回連続して決勝進出を果たし、『M-1』の常連となっている実力派だ。「僕ら『M-1』のレギュラーみたいなもんですよ。これまでの成績を合わせて何か下さい(笑)」(西田)「優勝したら、2台目の車を買いたい」(哲夫)

POISON GIRL BAND (2004年―6位 2006年―9位)

阿部智則(写真左):1979年8月29日生まれ。宮城県出身。吉田大吾:1979年4月4日生まれ。東京都出身。吉本興業・東京所属。東京NSC4期生。ぼそぼそと話す阿部に対して、吉田が独特のテンポでツッコミを入れるという脱力系コンビ。会見では紳助にいじられまくっていたが、期待されている証拠だろう。「優勝したら国技館で断髪式をします」(阿部)「優勝しなかったら、これでもかって順番のせいにします(笑)」(吉田)

ザブングル (決勝戦初出場)

松尾陽介(写真左):1977年1月28日生まれ。愛知県出身。加藤歩:1974年10月26日生まれ。三重県出身。ワタナベエンターテインメント所属。今回、唯一の吉本興業以外のコンビ。決勝戦は初めてだが、2004年、2005年、2006年と3年連続で準決勝に進出している。加藤の"ヘン顔"が持ちギャグ。「ほかの方より知名度はないので、その分伸び伸びやろうと思います」(松尾)「逆に吹っ切れてやれます。ホームランを狙いますよ」(加藤)

千鳥 (2003年―9位 2004年―9位 2005年―6位)

山本大悟(写真左):1980年3月25日生まれ。岡山県出身。早川信行:1979年12月30日生まれ。岡山県出身。吉本興業・大阪所属。岡山弁の漫才が特徴で、山本のしつこいくらい丁寧な描写と勢いのあるボケが観客を引き込んでいく。「今年が最後。ようやくいい感じになってきました。ネタ順もいいです」(山本)「優勝したら、愛車をヤン車仕様にしたい(笑)」(早川)

トータルテンボス (2004年―7位 2006年―5位)

藤田憲右(写真左):1975年12月30日生まれ。静岡県出身。大村朋宏:1975年4月3日生まれ。静岡県出身。吉本興業・東京所属。東京NSC3期生。藤田の「ハンパねぇ~」や大村の「おやおや穏やかじゃないね~」など、フレーズをタイミングよく挟んでくるネタが定番。「昨年は、松本(人志)さんから『もっと笑いが起こっても良かったのでは』と言われたので、今年こそは」(藤田)「ネタ順は申し分ない引きでした!」(大村)

キングコング (2001年―7位)

西野亮廣(写真左):1980年7月3日生まれ。兵庫県出身。梶原雄太:1980年8月7日生まれ。大阪府出身。吉本興業・東京所属。大阪NSC22期生。デビューして2年で第1回大会に出場し、いきなり決勝進出して7位に。その後、『はねるのトびら』(フジテレビ系)のレギュラーとなり、人気が爆発。漫才から遠ざかっていたが、今回6年ぶりにチャレンジする。「いろいろ悩んで2人でようケンカしまして。10円ハゲができました。でも紳助さんも唸らせるネタを用意しましたので!」(梶原)「出ないほうが格好悪いと思ったので、出場しました。優勝したら、賞金は打ち上げでやるジャンケン大会に全部出します」(西野)

ハリセンボン (決勝戦初出場)

近藤春菜(写真左):1983年2月23日生まれ。東京都出身。箕輪はるか:1980年1月1日生まれ。東京都出身。吉本興業・東京所属。東京NSC22期生。今回、唯一の女性コンビで、バラエティー番組では人気を集めている。男にモテないという設定で近藤が自虐話を展開し、箕輪が不幸キャラでボケていく芸風を持つ。「女性というのはあまり意識しないでやっていきます」(近藤)「優勝しなかったら、2度と笑いません。笑いを消します」(箕輪)

ダイアン (決勝戦初出場)

西澤裕介(写真左):1977年3月14日生まれ。滋賀県出身。津田篤宏:1976年5月27日生まれ。滋賀県出身。吉本興業・大阪所属。大阪NSC22期生。西澤がマイペースにボケて、切れ味鋭く津田がツッコミを入れるという"緩急"のついたスタイル。「優勝しなかったら、相方の子供を里子に出します(笑)」(西澤)「優勝したら賞金は、嫁のおばあちゃんに借金があるので、それを返します」(津田)

上記8組に加えて、今年も1組の敗者復活枠が用意され、決勝当日に東京・品川区の大井競馬場にて、準決勝進出者による敗者復活戦が行われる。

『M-1グランプリ2007』は、朝日放送・テレビ朝日系にて12月23日(日曜 18:30~20:54)に生放送。審査委員長:島田紳助、審査員:松本人志、上沼恵美子ほか、司会:今田耕司ほか。

『M-1グランプリ』歴代優勝者

コンビ名(所属) 出場組数
第1回(2001年) 中川家(吉本興業・大阪) 1603組
第2回(2002年) ますだおかだ(松竹芸能) 1756組
第3回(2003年) フットボールアワー(吉本興業・大阪) 1906組
第4回(2004年) アンタッチャブル(プロダクション人力舎) 2617組
第5回(2005年) ブラックマヨネーズ(吉本興業・大阪) 3378組
第6回(2006年) チュートリアル(吉本興業・大阪) 3922組