4日(日本時間)、映画『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』のワールドプレミアが米国・ニューヨークで開かれた。殺人鬼を演じる主演のジョニー・デップをはじめ、ティム・バートン監督など多くのスタッフ、キャストが出席し、本編世界初公開となった。

本作は19世紀末に実在したといわれる理髪師、スウィーニー・トッドの復讐劇。スティーブン・ソンドハイムが作詞作曲し、トニー賞にも輝いた人気ブローウェイ・ミュージカルを下敷きにしており、ティム・バートン監督が長年映画化を切望していたものだ。ジョニー・デップ×ティム・バートンの6度目のタッグという面も興味深いが、ジョニーの歌声が映画で初披露されるのも見逃せないところといえよう。

氷点下3度、雪の落ちるあいにくの天気となったが、会場のジグフェルド劇場前には、約500人のファンと25局のテレビなど各メディアが集まった。開始時間が近づくにつれ、冷えこみを吹き飛ばすくらいの熱気に包まれた。

ジョニー・デップがリムジンで到着すると、ファンの興奮は最高潮に。大歓声と数多のフラッシュでレッドカーペット前は一時騒然となった。ジョニーは、ファンからの求めに応じ握手やサインをし、笑顔を見せた。

赤いタイとチーフがとっても素敵なジョニー・デップ。作中では初めて美声も披露する

「ティム・バートンは素晴らしい映画製作者だし、素晴らしい友人だし、僕にとっては兄弟みたいな存在なんだ。それと、スティーブン・ソンドハイムによる 素晴らしい、音楽との組み合わせで、出演できて光栄だよ」とこの作品に参加できた喜びを語った。

このプレミアイベントには、ローリング・ストーンズのキース・リチャ―ズも参加。ジョニーとは『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』での共演以来、久しぶりの再会となった。

ファンに手を振るティム・バートン監督

『ハリー・ポッター』シリーズでおなじみのアラン・リックマン。本作では、スウィーニー・トッドに命を狙われるターピン判事を演じる

物語の舞台は19世紀の英国・ロンドン。無実の罪で投獄されたうえ、事件の首謀者に妻も娘も奪われた男が復讐のために、名前も姿も変えて15年ぶりにフリート街へ帰ってきた。再開した理髪店で、その男、スウィーニー・トッドは、剃刀を手に持ち、狂気をみなぎらせる。次々と殺人を繰り返し、ヘレナ・ボナム=カーター演じる、大家のミセス・ラベットと秘密を共有する。秘密の核心は"ある物"に姿を変えて、人々の目の前に現れる。そして、自分を陥れた張本人・ターピン判事を手にかけ……。

復讐のため、生まれ変わって街に戻ってきたスウィーニー・トッドと美しき共犯者のミセス・ラベット(ヘレナ・ボナム=カーター)

ターピン判事(アラン・リックマン)の胸にカミソリを突き立て、笑みを浮かべるトッド

『シザー・ハンズ』(1990年)、『エド・ウッド』(1994年)、『スリーピー・ホロウ』(1999年)、『チャーリーとチョコレート工場』(2005年)、『ティム・バートンのコープスブライド』(2005年)に続き、ジョニーとティム・バートン監督が組んだ作品は本作で6作目となる。主人公がイカれた殺人鬼で、狂気と恐怖に満ち溢れた作品であるのに、どこかコミカルな部分があり、観客を楽しませてくれる。まさに、ジョニー×ティム・バートン監督らしい作品に仕上がっているといえそうだ。

全米では今月21日公開。日本では1月19日(土)より丸の内ピカデリー1他にて全国ロードショー。

公開に先駆けて、12月6日よりYahoo!動画で、ジョニー・デップの歌声映像が特別配信されている。

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