“ブリージャー”という言葉をご存知だろうか?
「ブリージャー(Bleisure)」は、出張(Business Travel)とレジャー(Leisure)を併せた造語。観光やレジャーの要素を追加した新しい出張スタイルを指し、今世界中で人気を博しつつある。
仕事とはいえ、知らない土地を訪れたのなら、そこの文化には触れておきたいもの。それが視野を広げ、教養を育むことだってある。大人の男にこそ欠かせない。そこで今回は、世界的にも観光都市として人気のある「京都」を舞台に、出張の際に訪れたいスポットをご紹介しよう。
京都といえば、清水寺や祇園といった、いわゆる東山エリアが有名だが、見逃せないのが「洛南エリア」。中でも歴史の教科書にも度々登場する「伏見」は、古くから「水の街」といわれ日本酒が盛ん。落ち着いた“大人の京都” 洛南エリア・伏見を巡る男のひとり旅へ、いざご案内。
歴史と日本酒を知る、洛南エリア・伏見のおすすめスポット9選
JR「京都駅」から近畿日本鉄道(近鉄)に乗り換え約15分。「桃山御陵前駅」の改札を抜けて右に曲がれば、目前に見える「大手筋商店街」。長さ約400メートルの活気ある商店街だ。
入ってすぐ目に飛び込んできたのは「此付近伏見銀座跡」の石碑。ここは、日本で初めて銀座(銀貨の独占鋳造所)が作られた“銀座発祥の地”といわれている。江戸時代、この地から全国に銀座が広まっていったのかと思うと何とも感慨深い。
たくさんの人が行き交う中、歩みを進めていくと寺院もいくつかあって心が洗われる。コーヒーを片手に商店街を散策するだけで非日常的な気分に浸れる。それも出張の醍醐味だ。
大手筋商店街に店を構える「油長(あぶらちょう)」。酒屋だが、店内にはカウンターがあり、そこでお酒を楽しむこともできる。取り扱うのは、伏見の酒蔵20蔵80種類程度の日本酒。「水の街」として名高い伏見の水は軟質で、造られる酒は口当たりがやわらかく、風味はふくよかだ。
3種を選ぶ「きき酒セット」は650円~(付き出し:200円、お酒の種類により料金は異なる)。今回は「豊祝 京纏 純米大吟醸(400円)」「金鵄正宗 祝 純米吟醸(200円)」「招徳 花洛生酛 特別純米(200円)」をお願いした。
とにかく種類が豊富で迷ってしまうが、好みを伝えれば合うものを選んでもらえる。「京纏」は飲みやすくフルーティーで、「祝」はキリッと引き締まった辛口。そして、飲むたびに癖になる「花洛生酛」と、飲み比べするからわかる違いがおもしろい。
ひとりカウンターで静かに日本酒をたしなむのも良いが、お店の人と“お酒談義”に花を咲かせるのも一興。店内に並ぶ伏見の酒をお土産に買って帰れば、大いに喜ばれるに違いない。
大手筋商店街を西に進み、南へ下ると現れるのが「竜馬通り商店街」。石畳を挟んで京町屋風の店舗が向かい合い、足を踏み入れると空気が一変する。まるでタイムスリップしたかのようだ。お店の軒下には幕末の志士たちの写真が飾られ、どこか懐かしいレトロな雰囲気が漂っている。
商店街を抜けて橋を渡り、西に歩けば見えてくるのが「龍馬とお龍、愛の旅路 像」。現代でいう「新婚旅行」へ、坂本龍馬はお龍を連れて旅立った。像の向かいには川が流れ、枝垂れが風になびく。幕末の名残を感じる京都風情が、ここにはある。
竜馬通り商店街からすぐのところにある「寺田屋」は、歴史が動いた舞台としてあまりにも有名だ。幕末の時代、薩摩藩の定宿に指定されており、大変な繁盛であったと伝えられている。
寺田屋の名は歴史とともに想起されることが多い。薩摩藩同志が斬り合った「寺田屋騒動」や、薩長同盟を締結させた直後の龍馬を襲った「坂本龍馬襲撃事件」がそれだ。龍馬が愛用していた「梅の間」もその姿を留めており、柱には弾痕や刀跡が―。今も息遣いが聞こえてきそうな雰囲気だ。
庭には維新当時の井戸や龍馬の碑がある。澄んだ空を、こうして龍馬ら幕末の志士たちも見上げていたのかもしれない。想像するだけで胸が熱くなる。
所在地:京都市伏見区南浜町263
営業時間:10:00~16:00(受付は15:40で終了)
料金:400円(一般)、300円(中・高・大学生)、200円(小学生)
定休日:月曜日(不定休)および1月1日~1月3日
寺田屋を後にし、東に向かうと酒蔵が建ち並ぶ一角へ。大きな看板が目を引くのが「鳥せい本店」だ。その正式名称は「京都・伏見神聖酒蔵 鳥せい本店」。創業1677年、伏見の老舗酒蔵「山本本家」が「日本酒を身近に飲んでほしい」との思いを込めて今から40年ほど前に立ち上げた。
酒蔵を改築した広々とした店内は、日中にもかかわらず多くの人で賑わっている。お酒は日本酒とビールのみで、サワーも日本酒ベースという徹底ぶり。さらに、秘伝のタレにも日本酒を贅沢に使い、その深いコクと風味はここでしか味わうことができない。
鶏肉は宮崎県産を中心に全国から厳選。1階中央に置かれているタンクから注がれる「蔵出し生原酒」はまろやかで、タレに漬けた焼き鳥との相性は抜群。口に運ぶと、思わず笑みがこぼれる。
他、冬季限定(11月~4月下旬頃まで)で提供される「お造り」も絶品。薄く切った手羽身は、噛むと甘味が口の中に広がり、どんどん箸が進む。焼き鳥やお造りと合わせることで、日本酒のおいしさを再発見するはずだ。
所在地:京都市伏見区上油掛町186
営業時間:11:30~23:00(土日祝は11:00~23:00)
定休日:月曜日(12月および祝・祭日は除く) 電話番号:075-622-5533
大手町商店街から南に下ったところ、納屋町商店街に西側が面する「伏水酒蔵小路」。全長77mにも及ぶ小路には8つの飲食店が連なり、ほろ酔い気分でハシゴ酒を堪能できる。
伏見酒の魅力発信地として、伏見市内にある18酒蔵の日本酒を取り揃えており、その数は実に120種類以上にのぼる。ここからは、伏水酒蔵小路にあるお店を覗いてみよう。
小路を貫くように設置された長い酒蔵カウンターに座り、まずオーダーしたいのは「十八蔵のきき酒セット(2,430円)」。18酒蔵の日本酒を1銘柄ずつ味わえる。18もの小さな御猪口が木箱に綺麗に並べられた光景は圧巻だが、その量は2合弱ほど。ひとりで飲み切ってしまう人も少なくない。
「十八蔵のきき酒セット」は3段に分かれていて、上段左端から順に飲んでいくのが鉄則だ。食前酒のような味わいのものから始まり、2段目3段目に進むにつれて、ぬるくなってもおいしく飲める日本酒が並ぶ。温度調整に細心の注意を払い、飲む順番まで考えられたこのセットには、伏見のお酒に対する愛情が詰まっている。
肴には海鮮の炙り物を。焼くと香ばしい海の香りが食欲をそそる。炙り物をかじりながら御猪口を傾けると、たまらない。
歯触りの良さと甘みが特徴の京赤地鶏や丹波地鶏、鹿児島県産の知覧鶏など、こだわりの食材を職人が炭火で焼く「伏水89丁目食堂」。三重大学が開発した赤味噌を使った「京赤地鶏の黒焼き(880円)」は自慢の一品。甘辛い旨味がやみつきになること請け合いだ。
熊本県の牧場から直接仕入れる新鮮な「馬刺し(1,980円)」は、口の中でとろける最高の状態で提供してもらえる。馬刺しの本場・熊本の人も唸るほどのおいしさだ。
合わせる日本酒は、6種類の中から3種を選ぶお得なセットも(1,200円)。つまみとのバランスを重視するのも良いが、濃い味付けにあえてキレのある辛口を合わせるといった冒険をしてみれば、日本酒の楽しみ方がますます広がるだろう。
「だしが命」を掲げる、むかし屋。名物「肉吸い(720円)」には、北海道利尻産の昆布をはじめ、かつおやうるめ、さばなどすべて天然素材を使用。飲んだ後のシメのイメージが強い肉吸いだが、ここではお酒のお供として親しまれている。
肉吸いのだしをベースにした「もつ鍋(1,580円/1人前)も人気メニュー。国産の大ぶりのもつはジューシーで、身も心も温まる。しっかりとニンニクが効いていて、食べれば元気になる、そんな一品だ。
この伏水酒蔵小路では、他店舗のメニューも出前できるのが嬉しい。音楽ライブなどのイベントも定期的に開催されており、ひとりでも気兼ねなく過ごせるのではないだろうか。
洛南エリア・伏見を巡る“ブリージャー拠点”「ヴィアイン京都駅八条口」
今回ご紹介した洛南エリア・伏見を巡る“ブリージャー拠点”としておすすめなのが、今年の5月30日にグランドオープンする「ヴィアイン京都駅八条口」だ。1月23日より予約受付がスタートしている。
「ヴィアイン京都駅八条口」はJR西日本ヴィアインが運営するビジネスホテル。新幹線が発着する京都駅の八条口から徒歩約2分の立地は、出張者にとってもありがたいはず。それに、伏見までは近畿日本鉄道(近鉄)に乗って15分ほどという、まさにうってつけの環境にあるのだ。
ホテルのコンセプトは「凛-RIN- 京と出会うやすらいのとき」。客室のベッドヘッドのアクセントパネルには、京都の伝統技術を用いた内装材の「絹ガラス」が採用され、空間を華やかに演出している。またすべての客室には無料Wi-Fiはもちろん、ゆったり広めのベッドや給電用USBポートなどが設置されており、快適な出張ライフをかなえてくれるだろう。
朝食は「食と健康」をテーマとした和食中心のバイキング。レストラン「食彩健美 野の葡萄」で京都の地元食材をはじめ、手作りで身体に優しい料理約80種類を提供している。中でもシェフが目の前で作り上げるだし巻卵や京野菜の天ぷらはイチオシだという。
なお24時間有人フロント対応で安全対策も万全。「ヴィアインメンバーズクラブ」に入会すれば「最大10%還元のキャッシュバック」「正午までの2時間レイトチェックアウト無料」など、特典が盛りだくさん。京都出張の際は「ヴィアイン京都駅八条口」を利用してみてはいかがだろうか。
「水の街」伏見であなたもブリージャー体験を
かつては「伏水」と表されていた、良質な水源に恵まれている「水の街」伏見。京都に出張で訪れた際には、ぜひとも足を運んでほしい。日本を憂い奔走した幕末の志士たちに思いを馳せ、脈々と受け継がれてきた日本酒で喉を潤せば、その日からの毎日に活力がみなぎることだろう。
photo:photographer_eringi
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[PR]提供:JR西日本ヴィアイン