昨今、中国語を日常生活の中で耳にする機会が増えたと感じている方も多いのではないでしょうか。そこで、マイナビニュースの「中国語が気になっている読者」300人を対象にアンケートを実施。前編では、その結果をお伝えしました。今回は、このアンケートの回答についてプロのご意見として、中国語の語学学習教材を専門的に開発・販売・企業コンサルティングしている、株式会社WEIC(ウェイク)の内山雄輝社長にお話を聞きました。

中国語の語学学習教材を専門的に開発・販売・企業コンサルティングしている、株式会社WEIC(ウェイク)の内山雄輝社長

──ビジネスの中で中国語は必要だ・学びたいと感じた方が約43%いらっしゃいました。英語と比べてまだまだ話せる方が少ないように感じる中国語ですが、ビジネスシーンでの需要は増えていますか?

中国人は、中国語で話しかけられると非常に親しみを感じます。また、店員とおしゃべりをしながら買い物をするのが大好きです。自分が見て聞いてよかったものを、微博や微信をつかってすぐに配信します。つまり、中国人とビジネスをすることや、日本に来た中国人に商品を買ってもらうことにおいて、少しでも中国語でコミュニケーションをして彼らの懐に入っていくことが、購買力が旺盛で人脈をビジネスの最重要事項と位置付ける、中国人の心をつかむうえで非常に重要な要素であるといえます。

──貴社は企業にも導入例が多いと聞きましたが、どういった業種に、どういった理由・形態で導入されていることが多いのでしょうか。また、個人の方が受講する動機はどんなものが多いのですか?

中国では英語が思った以上に通じません。ですので、電機メーカー、金融、商社、アパレル、化学、自動車産業など、中国とビジネスを行っているあらゆる業種の企業様でご採用いただいています。幹部候補生研修、赴任直前研修、自己啓発研修で導入されています。英語がすでにできる幹部候補生に関して、大きな影響力と可能性を秘めた中国市場および中国人とのビジネス交流を円滑化させ、中国市場開拓に必須である中国の文化を知ってもらうために、最低限の中国語も習得させたいという経営判断が進んでおります。

個人の方は、実際に中国出張や赴任で必要になったという方もいれば、英語ができて当たり前の状況の中で、転職や就職に有利でライバルと差別化できる、もう一つの技能として中国語を手に入れたいという理由で習得する方が増えています。

──ビジネス目的で中国語が必要だ・学びたいと思った方の意見の中で、「自分でビジネスを進めたい」というよりは、「少しでも、聞ける話せるようになったらビジネスが変わってくる」と答えた方が多いようでした。この点について、どう思われますか?

中国4000年の歴史というのはすでに古い表現かもしれませんが、中国は歴史や文化が非常に長い大国であります。人の考え方、文化、伝統、価値観は、日本とまったく異なるものがあります。中国の方とビジネスをするうえで、常に通訳を通して進めると思いますが、その通訳が本当に正しく内容を伝えているのか、通訳に任せきりにすることは非常に危険です。日本人が中国語ができなくて中国人通訳に任せきりにし、文化もわからないので、さまざまな状況に応じてどうしたらいいのか通訳に判断を仰ぎ、商談で価格まで決めることもあることから、通訳が「影の社長」であると揶揄されることもあります。

中国人は「入乡随俗(郷に入りては郷に従え)」をビジネスで非常に重要なこととしているので、日本とビジネスをする中国人は必ずといっていいほど日本語を話しますが、日本人はそうではありません。中国人に騙されたという日本人は、中国人を知る努力を怠っていたことが原因なのかもしれませんね。ですから、中国語を少しでも聞ける話せるようになったらビジネスは変わってきます。