寒い冬は、冷え性の症状が出やすくなったり、風邪を引きやすくなったりします。また、食べ過ぎや飲み過ぎで胃腸などの体調を崩しやすい時期でもあります。休んでばかりでは、仕事が滞ってしまいます。今回は冬を健康に過ごすために、おすすめの食材をご紹介しましょう。

  • 風邪が流行中……予防には「生姜」を食べよう!

寒いとどうして体調を崩しやすい?

冬に流行期を迎えるインフルエンザは、12月ごろより増え始めます。ピークは1~2月ごろの冬の寒さが厳しい時期です。寒い時期、風邪になってしまうことが多い理由は、風邪やインフルエンザなどのウイルスが15℃以下の気温で活発に働くようになるからです。

また、湿度が低いことで、空気中に漂いやすくなりますから、暖房が効いている部屋など乾燥している場所では、長い時間ウイルスが漂ってしまいます。そのため、冬はウイルスに感染しやすい季節と言えるのです。

感染予防には、感染者と接触しないコト

感染経路には、大きく分けて「飛沫感染」と「接触感染」があります。飛沫感染は、感染者のせきやくしゃみの唾液のしぶきにウイルスが含まれ、それを吸い込むことで感染します。マスクはのどや鼻の乾燥を防ぐものの、ウイルスは通過し、予防できませんので、こまめな手洗い、うがいが大切になります。感染者のくしゃみやせきなどのしぶきが飛び散るのを予防することはできますから、感染者は必ずマスクを着用しましょう。

接触感染は、ウイルスを含んだ唾液のしぶきがついた場所に触れ、手や口元などにつくことで引き起こされる感染です。職場の共用パソコン、エレベーターのボタン、手すりなど、多数の人が触れる場所は、感染しやすいと考えられます。こまめに手洗い、うがいを行うことが感染予防に有効になり、接触感染のほうが防ぎやすいといえます。手洗い、うがいは習慣化していきましょう。ただし、水で軽く手洗いするぐらいでは、不十分といえます。アルコール消毒、ジェルなどを併用して、消毒を行う方がおすすめです。施設の出入口や手洗い場所にアルコール消毒を設置しているところもありますし、携帯できる小さなタイプも市販されています。

感染予防には、感染者と接触しないことが一番ですが、なかなかそうはいきません。できるところから、感染予防を心がけましょう。

生姜料理が健康づくりにおすすめ

感染予防には、たっぷりと睡眠をとること、バランスの取れた食事を心がけること、適度な運動をすることで、風邪に負けない体をつくることができます。食事は、いろいろな食材を取り入れて食べることで、バランスが取りやすくなります。肉を食べたら魚を食べる、野菜を少しでも食事に取り入れるなど、バランスを意識して食べるとよいでしょう。

中でも「生姜」は、風邪予防のために食べている人も多いのではないでしょうか。生姜は、辛味成分のシンゲロール、ショウガオールなどが含まれています。薬味として、お寿司のガリ、焼き魚のはじかみ生姜など、その殺菌作用から料理に幅広く利用されています。この殺菌作用が、風邪の引き始めののどの痛みにもよい作用があるといわれていますので、生姜を食べるのはおすすめです。

食べるときは、生の生姜をすりおろすことが多いと思いますが、皮に近い部分にシンゲロールやショウガオールなどの辛味成分は多く含まれていると言われていますので、皮ごとすって食べるのがおすすめです。香りもよくなりますので、よく洗って皮ごと利用しましょう。チューブ入りの生姜を利用してもいいのですが、生の生姜のほうが、成分を効率よく取り入れることができます。できれば、生の生姜を利用する方がいいでしょう。

ショウガオールは、胃腸の血行を促進させて、冷え性の改善にも有効といわれています。生姜を加熱して食べることで、ショウガオールは増えると言われていますので、生姜焼きや生姜湯など加熱調理もおすすめです。

生姜は、食べ過ぎるとお腹をこわしてしまうことがあります。一度にたくさん食べるのではなく、少量を長い期間食べるほうがおすすめです。いつもの料理に生姜を添えたり、味噌汁にすりおろして入れたりするなど、少しずつ加えながら、風邪に負けない健康な体を作りましょう。

筆者プロフィール: 岡田明子


管理栄養士。同志社女子大学管理栄養士専攻卒業後、高齢者施設に勤務し、利用者の食事管理を行う。その後ダイエットサプリメント会社の立ち上げに関わり、自身の13kgのダイエット成功経験を生かして「食べてキレイに痩せる」ダイエットメソッドを確立。独立後は、ヘルスケア関連を中心にレシピ監修や商品開発、講演や執筆活動、テレビなどのメディア出演などを務める。2014年に一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)を設立し、栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のサポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。著書に『妊娠できる体は食から 30代からの妊活食』(KADOKAWA/角川マガジンズ)など。